東京三味線 江戸博 | 三味線演奏・教室 杵屋勝壽のブログ

三味線演奏・教室 杵屋勝壽のブログ

日本の習い事。長唄や三味線の事、お教室の日々の様子などを。

昨日は江戸博にいってまいりました。
演奏ではなく、演奏家として三味線の未来を三味線職人さん方のお仕事を見せていただきました

動物愛護の観点から三味線の皮については、海外からの理解を得るのが難しい時代になっているので、変わる素材はずっと課題でありました。

昨今、オーストラリアでは、カンガルーが増えすぎて政府がまびきをしています。

それはそれは、かなりの量だそうです。

カンガルー、日本では珍しい動物ですが、オーストラリアでは身近で、しかも増えすぎて悩みの種だそうです。

サッカーのスパイクもカンガルーの皮が、いまは主流だとか。

カンガルーの皮は、三味線の為に命をいただいてしまうわけではないのです

逆にそのまま捨てられてしまうので、有効活用なんですね。

しかし、問題はやはり、音ビックリマーク

今までも、開発されてきた合皮ですが、音は全く演奏用にはなりませんが、まず破けないので、お祭りや学校には使われています。

しかーし破けない、というのは、、、、

職人さんの仕事を減らす事になります。

ただでさえ、需要が減ってるのに。あせる

息子に後を継がせたい!継ぎたい!なんて話もなくなり、いつかは耐えてしまいます。叫び


カンガルーはどのくらいもつのか、も、これからわかる事ですので、職人さんたちが、一生懸命貼り方や鞣し方を研究中です。

音は、

期待してなかったんですが、、、、

それが、なかなかでした!!!!

かなり、良い音色ですアップアップ

猫と比べてしまうとどこまでいけるかわからないですが、研究したら、かなり、いけると思いました。

また、猫と比べず、カンガルーとして、音を楽しめたらよいのではないでしょうか?


カンガルーはオーストラリア政府がまびきをしていますから、安定供給で、お値段もお安くなるはずです。

身近に、手軽に手にはいる、音の良い三味線、が普及すれば、よいサイクルができると思いますアップ

職人さん達がこのままではいかん!時代に合わない!と危機感を感じ、すでに実際に実行にうつし、慣れない新しい物を受け入れ、日々また研究していらっしゃる。
そこに、わたしは感動してしまいました。

日本の職人さんの対応力、技術。あぐらをかかず勉強なさる姿は、感動です。

もちろん、今まで同様、演奏家はヨツの皮を使っていくと思いますが、お弟子さん方には、音良く安ければおすすめしやすいです。

日本の素晴らしい職人さんたちの技術を絶やさず、音の芸術にして、世界へ未来へ広げていく事を常に考えていくことが、私達の責任だと思います。

ただ、演奏する事だけでは、未来につなげられないな、、、と、強く感じた一日でした。
{632F28CB-1B7A-41B6-9CAB-52EE22825319:01}
{E88CD1C3-B412-466A-89DF-ACDEE3409803:01}
{2C0D3D22-CE5E-4984-8988-84F4D3E15C69:01}
昨日のイベントでは、職人さんたちの仕事振りを間近にみせていただいたり、プロ、大学のサークルの津軽や箏曲の演奏もありました。

サークルでみんな楽しそうに演奏する姿は、なんだかとても羨ましかったです。 

音楽は楽しむものだな、と、感激しました。

全国の三味線職人の皆様、厳しいご時世、日々の研究。感謝いたしますドキドキ

職人さんあっての私達演奏家です!

一緒に頑張りましょう!アップアップアップ