母は、私に父と離婚したいという話ばかり電話でしてくる。

父は、発達障害。


私は母に、私が双極性障害であることを隠している。
私は、母を信頼していない、幼い頃から。

両親は、私の幼少期から私を養子に出そうとしていた。
私は、さほど大切な子供ではなかったし、大切に育てられたわけでもなかったのだろう。

それを感じ取っていたからか、3歳の私は母の気を引くため、意図してビー玉を飲んだり、手指をハサミで血塗れにしたりしていた。

母はその都度、ビックリしたり、怒ったりした。



成長するにつれ、私は母を避けるようになった。
いや、違う。
甘えたかったし、認めてもらいたかったのだが、母はいつも怒ったり、忠告ばかりしてきたから、私は母から逃げた。

その時、父はどうしていたのだろう。

思い出せない。


父は殆ど不在で。
私は父に叱られたことがなかった。
また、会話さえ殆どなかった。


ただ、年月が経ち、そんな二人も年老い、今ではとても小さく見える。

離婚したい、と散々言う母。

二人穏やかに余生を過ごしてもらいたい、それしか私は言えない。