第48回 プロジェクト『いのち』 定例会のお知らせ | いのちアカデミー認定協会【健康生命師】渡邉勝之【博士】“健幸美楽”習慣公式ブログ

いのちアカデミー認定協会【健康生命師】渡邉勝之【博士】“健幸美楽”習慣公式ブログ

いのちアカデミー認定協会代表【健康生命師】博士
共育部門:いのちアカデミー【総長】
臨床部門:鍼灸 瑛 嵯峨嵐山【院長】
研究部門:いのち研究所【所長】

 第48回定例会は、第46回・第47回に引き続き、科学研究費による「種々の日本型健康法の理論的共通点の解明と医療費に与える影響調査」に関する、まとめの発表を杉岡と渡邉の二人が行います。

 

 研究成果を社会へ還元するとともに、出席者の皆様との対話を通して、さらに探求を深めたいと考えております。

 

科学研究費の助成を受けて開催致しますので、参加費は無料となっております。

 

お誘い合わせの上、御参加頂きますよう、ご案内申し上げます。

 

        記

 

日 時:平成31年2月10日(日)13時~17時

 

場 所:京都中央学院375教室(京都駅徒歩5分、リーガロイヤルホテル前、アパホテル堀川通横)

                          

演 題: 科学研究費「種々の日本型健康法の理論的共通点の解明と医療費に与える影響調査」まとめ

 

講 師: 杉岡良彦(すぎおか よしひこ)

       渡邉勝之(わたなべ かつゆき)

 

杉岡略歴

1966年生 平成2年京都大学農学部(農学原論講座)卒。平成10年京都府立医科大学卒。

同大学附属病院研修医を経て平成16年東海大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。

平成17年4月から平成27年5月まで旭川医科大学医学部助手・講師。現在は上野病院精神科医師。

著書『哲学としての医学概論』2014年(2015年、日本医学哲学倫理学会学会賞、湯浅泰雄著作賞 受賞)。

『脳科学は宗教を解明できるか』(共著2012年)、訳書『スピリチュアリティは健康をもたらすか』

『神は妄想か』『自然を神学する』等。

 

渡邉略歴

 1964年生 明治鍼灸大学卒業。同大学附属病院研修鍼灸師を経て、同大学の教員を27年間務める。

(鍼灸学博士)平成30年5月から、一般社団法人いのちクリエイション理事。いのちアカデミー主宰。

東洋医学治療院天龍・院長。公益社団法人未来工学研究所特別研究員。

著書『医療原論 -いのち・自然治癒力-』(医歯薬出版株式会社)、『医学・医療原論 -いのち学&セルフケア-』(錦房株式会社)。

ビイング・ネット・プレス社から3部作となる本を、現在編集中。

 

発表の要旨

 

【杉岡】

 

 2015年から科学研究費により「種々の日本型健康法の理論的共通点の解明と医療費に与える影響調査」(基盤研究C)という研究を共同研究者の渡邉勝之と行っている。

 当初この研究は理論的研究と調査研究の二つを柱としていた。しかし、2016年に研究代表者の杉岡が旭川医科大学の客員講師となり民間病院での勤務となったため、本研究は理論的研究を行うこととなった。

 日本型健康法には、日本的あるいは東洋的な自然観や生命観に根ざすものが多い一方で、明治、大正から昭和初期にかけて、現在ではその歴史からほぼ忘れられた、呪術的な要素の強い団体もあったことがわかった。一例として、田中守平の「太霊道」がある。

 

 日本型健康法の理論的背景は、当初考えていたよりも非常に複雑で、単なる自然観や生命観という哲学的問題だけではなく、呪術的あるいは宗教的な影響をかなりの程度受けているが、その近代化あるいは科学化を目指そうとする運動の中で、誤解を恐れずにいえばある種の「魅力」と「治療効果」を失ってきた点があるようにも思われる。

 

 そして、現在のEBMに基づく医療体系の中で、こうした日本型健康法をその歴史をさかのぼりながら、あらためてどのように位置づけるのかは、科学史や医学哲学の観点からも重要な課題である。

 当日はこれまでの成果をまとめつつ、参加いただいた皆様からの意見を伺い、日本型健康法の理論的背景についてさらに考察を深めたい。

 

 

【渡邉】

 発表者二人の共通点は、澤瀉久敬先生の『医学概論』から多大な影響を受け、杉岡は西洋近代医学の医師の立場から。

一方、渡邉は東洋伝統医学の鍼灸師の立場から、医学哲学ならびに医療原論の構築に尽力してきた。

 

 今回、科学研究費の助成を受けることにより、共同研究が加速され、議論および対話を重ねてきた。

澤瀉が述べているように、「医学の立場から生命を論ずるのではなく、生命の立場から医学を論ずる」の立場を明確にしたい。

 

 魚釣りに例えるならば、医師や鍼灸師が患者さんを治療することは、漁師が釣った魚をお客さんに分け与える事に当たるであろう。

他方、漁師がお客さんに魚の釣り方を教えて、お客さん自身が魚を釣れるように指導する。それが、健康法に当たるのではないか。

 

 医学・医療の歴史を紐解くと、原始医術の時代には、現在分類されている、宗教・呪術・哲学・科学・技術の領域と密接不離な関係であった。

 しかし、ギリシャ医学のヒポクラテスをはじめ、中国伝統医学を構築する時に、宗教・呪術の領域を切り離し、ルネッサンス時までは、東西ともにほとんど同じ理論および方法の医学・医療を実践していた。

 

 科学・技術の発展に伴い、それまでの哲学を切り離し、伝統医学から大きく袂を分けて発展したのが西洋近代医学である。

 

1.  医学・医療の歴史的変遷の観点

2.  生命世界・精神世界・物質世界の階層性からの観点

3.  治療・予防・健康生成論の観点

 

 上記、3つの観点から、日本型健康法の理論的基盤を明らかにしたいと考えています。

 

 出席者の皆さんと、対話を行い、さらに議論を深めたいと考えております。

皆様とお逢い出来る事を、愉しみにしております。

 

 

 プロジェクトいのち事務局  

第48回定例会の御申込み先