3冊(22冊)目です。
今月の3冊目は
またしても 吉村 昭 さんの 「冬の鷹」です。
内容・・・・・
わずかな手掛りをもとに、苦心惨憺、殆んど独力で訳出した「解体新書」だが、訳者前野良沢の名は記されなかった。出版に尽力した実務肌の相棒杉田玄白が世間の名声を博するのとは対照的に、彼は終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いて巷に窮死する。わが国近代医学の礎を築いた画期的偉業、「解体新書」成立の過程を克明に再現し、両者の劇的相剋を浮彫りにする感動の歴史長編。
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今回も吉村昭さんの資料をシッカリ読み解いた内容に引き付けられました。
オランダ語をマスターしたいと強く願う良沢と医学の発展のためにターヘルアナトミアを翻訳したい玄白。考え方の相違から二人は疎遠になっていく。出版後の二人の対照的な人生描写に惹き付けられた。解体新書=杉田玄白のイメージが強かったが歴史の中の真実を垣間見て今回も高揚感を覚えた。
価値がある良書、一気読みでした。