禁酒129日目・禁ギャンブル71日目


こんばんは!ちみーです。本日は本多勝一著「アムンセンとスコット」について書きたいと思いますのでお付き合い下さい。


本書は、1912年に人類にとってまだ未踏の地だった南極点到達に挑んだアムンセン隊とスコット隊の勝負を描いたもので、初版は1986年に発売されました。通信手段や動力も未発達な時代に、人力と犬ゾリと馬だけで地図の空白に挑む壮大な冒険譚となっています。


冒険譚としての面白いさや感動、泣ける所もあるが、本書は組織論としての参考書という面もあります。勝利したアムンセンのリーダーとしての行動力・柔軟性・犬ゾリを動力兼食料とする計画の緻密性は現代を生き抜く上で参考像となるし、敗北したスコットのそれまでの軍人としての努力や実績、死の直前まで保った誇り高い人格は英雄として讃えられて当然のものであるが、リーダーとしての欠陥・失敗例を教えてくれます。


巻末の山口周氏の解説も面白いです。「権力格差の大小」と「内発的動機の有無」の考察、特に【頑張る人は夢中な人に勝てない】というのは冒険の成否の核心だと思います。軍人の仕事として南極点に挑戦していたスコットがどれだけ努力していたとしても、探検を夢として四六時中、挑戦する事を考えられずにはいられないアムンセンとは思考の絶対量が違うのは当然なんでしょう。「好きこそ〜」というやつです。好きな事を仕事に出来たら最強な訳ですね( ̄^ ̄)。