終活物語 余命士 続き
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5.使命とは
母親は余命士に挨拶もそこそこに、昨晩娘に言われたことを全て話した。そして、
「あの子には、どんなことを言われても長生きして欲しい。あの子はまだ子供。15年しか生きられない短さの意味が分からないの。夫の余命を与えて下さい。」
その言葉を聞き終えて、余命士は質問した。
「何故、娘さんをそんなに長生きさせたいのでしょうか?」
母親はこう答えた。
「娘に幸せな人生を送って欲しいからです!当たり前じゃないですか!」
余命士は淡々とまた質問を続ける。
「余命を知ることとは何でしょうか?幸か不幸か、あなた方ご両親や娘さんには余命が分かっています。私に会わない方は余命を知りません。あなたは余命を知らない状態と知ってる状態に違いがあるのでしょうか?」
「仮に余命を知らない状態で娘さんのように短い命で亡くなった方は全員が幸せになれなかったんでしょうか?」
父親も母親も沈黙した・・
「娘さん曰く、命は【長短】ではないと言っています。余命を知ることの価値は、余命を知ることで日常を知り、当たり前すぎて見えなかった幸せを感じた。死が見えたから、日常がそこに在ることに気付いた。命という限りある時間の使い方を考えることが大切で、3年という時間の短さは問題じゃないということかもしれません。」
父親がふと呟いた。
「娘が言ってな、【使命】って。親孝行が使命だって・・」
母親もその父親の言葉を噛み締めて黙っていた。
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6.余命士の使命
その後、この親子がどんな決断をしたのか?
結果的には、娘である華の意思を尊重したものだった。残された両親は今も悩むことがあるけど、
娘から遺された素晴らしいモノに納得しているようだ。
その言葉は最後に書きます。
まずは、私、余命士について少し詳しく書きます。
余命士と言われる人は実はこの世に私1人しかいません。
余命士は、余命を与える人からその余命を少し頂くことで生き続けています。
私がいつどうやって誕生したのかはまた追々。
命を与える。
命を頂く。
その関係性は人間同士であるが故に簡単にはいきません。
それとは別に人間以外の動物たちはシンプルです。生きるために他の動物の余命を食べることで自分のサイズの余命に変換して生きている。
しかし、どんな動物も食べ続けてもずっとは生きられない。それは命は有限だと決められているから。
動物たちの話は置いておくとして、
人間は長生きできるからいいという訳ではない。
それは今回の家族から学んだことだろう。
余命を宣告すること。
これが私、余命士の使命であり全てです。
同じ言葉を話しても
その言葉をどう解釈するかは一人一人全く異なる。
①「余命は1年です。」
②「余命は100年です。」
①を聞いたらどう感じますか?
②を聞いたらどう感じますか?
この①と②の余命差99年に対する解釈はそれぞれであり、違っていい。
さて、あなたの【余命】は?
あなたたちの世界では余命を与えることはまだ技術的にできません。
しかし、残された命、今ある命をどう使うのか?
そう、生きている時間を大切な人に使う。
そうすることであなたの余命を大切に与えることが出来るのではないだろうか?
あなたの【使命】は?
今回の終活物語に出てきた華さんは、
余命、命、使命ということを自分なりに真剣に考え抜き、日常にある幸せを見つけ、これまで通り全うする中で、次は両親のために余命を、時間を使い切ることだった。
父から与えられた30年を生きる道もあった。華さんにはその30年が父不在であることを望まなかっただけ。
残された3年を親子3人で生きることが幸せなんだと。
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最後に・・
娘の華さんが両親に遺したものとは。
遺したものは、心からの言葉です🍀
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お父さんお母さんへ
「産んでくれて、ありがとう」
「育ててくれて、ありがとう」
「愛してくれて、ありがとう」
「2人とも生きててくれて、ありがとう」
「2人の娘で幸せでした、ありがとう」
「最後に私のワガママを聞いてくれて、ありがとう」
「これからも、ずっと愛してる。余命わかってるけど長生きしてね」
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さて、
この華さんの15年という人生は短いかもしれないが寂しいものだったのでしょうか。
それとも、幸せで充実した人生だったのでしょうか。
ご両親の判断はこれで良かったのでしょうか。
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如何でしたか?
余命を知って、
長生きして欲しい親の立場
余命を精一杯幸せに生きたい子の立場
限りある命をどう使うかという使命と向き合う
終活って自分と向き合うのに最適な手段です✨🌈
これはまだ全てではないですが、大まかなストーリーは完成です🍀
この読み聞かせを3月6日の
でやります✨
そして今後ショートムービーを製作します!
そのために、役者やエキストラ、製作に必要なスタッフ(撮影、編集など)をこれから募集します。
お楽しみに😆
是非是非、ゆんたくに遊びに来てね❤️