少しスモークがかかった会場。

約300くらいの客席にほとんど空席がない。

開演前の注意が終わると会場が暗転。

大音響とともに映し出される映像。

ステージの上に上段のステージがあり、ステージと上段交互にダンサーがでてきて何人か踊った後に、10人ほどのダンサーが合わせて踊る。

暗転して、黒服の締めたい男が出てきて話す。

「まあまあまあ抑えて抑えて。大人なんだから冷静に。感情なんか無くして。」

暗転して、ウイルスという題名が表示される。

上段の白衣の男がフラスコにスポイトで何かを入れる。

ステージでは少し小汚い衣装のダンサーが踊る。しばらくすると、異常事態のサイレンがなり、たダンサーたちが活発に踊る。防護服に防護マスクの男が入ってきて巨大な消毒スプレーをかけて終わる。

暗転して、赤い服の女性4人組がステージに出てくる。上段の男が「俺の女だよな。ご飯作れ。女なんだから愛想良く。38度の熱?熱さまシート冷蔵庫にあると思うけど、そんなことより飯作れ。」

最初は愛想笑いしてた女性たちが、うっせええええと叫んで激しいダンスが始まります。4人の女性に対する女なんだから攻撃が2周するんですが、その際、女性の名前を呼ぶんですが、愛莉さんに向けた言葉が「演技向いてないから女の武器使っとこ」「演技向いてないからスカートでも短くすれば」が、愛莉さんの愛想笑いも含めて、妙に刺さりました。


と、こんな感じで、重めのモチーフを8つ続いて行きます。ダンスメインで物凄い熱量で踊り演じられます。

1日に15分づつくらいに分けて見たいくらいに気合の入ったステージが8つも一気に見れて、とても贅沢でした。


特に私の印象に残っているのは、三原悠里さん演じる小さい女の子がクリスマスにママの手を引っ張ったり、お人形ダンサーたちと遊んだりしていて、後半でママをもっと引っ張るとママが死んでて、最終的に座らせたママの足の間に座り、腕を自分に巻きつけて泣くモチーフです。

ママーって言ったり、お人形さんたちと無邪気に遊んだりしてるのがかわいかったです。


文章に書くと、演劇を見たかのようですが、ミュージカルよりも、ずっとダンスよりの舞台です。

ただ、セリフや演技、表情などが印象的でダンサーたちも叫んだりします。

ダンスのジャンルは主にバレエ系とマイムで構成されてたと思います。(僕のバレエ系はやたら広いです。例えば、ジャズダンスの中でも姿勢いい系のジャズダンスはバレエだと思ってます。)


声とダンスなら、声の方が印象に残るってのは、ダンサーとして、あのダンスの完成度にもっていくのが大変だと思うので、少し思うところがあって、でも、それは事実なので事実に抵抗しても、あれなのはあれだなあと思います。


ところで、ソーシャルダンサーとしては、ダンスはコミニケーションツールなので、パーティーで15分くらいダンスを見せたとしても、感想聞いたり、一緒にダンスを踊ったりするのがメインなので、そういう空間で小分けにダンスを見せるのが個人的には好きだなあと認識しました。


あと、感想を箇条書きしていきます。

50才過ぎても絵描きでアルバイトのモチーフのときの和田さんのダンサーのポージングを真似するダンスはなんか面白かったです。

穂さんのアクロバットは目立っていいなあと思いました。

HEEROさんが調子に乗って踊り過ぎるのを止めるみたいのは、パンフレットにも踊り出したらやめられないって書いてあって、いいネタだなと思いました。


フィナーレはすごく爽快感があって、尾沢奈津子さんがみんなを引き連れて、尾沢さんのその場の思いつきを皆んなが真似してて、すごく重いもの見たような気持ちと、そういうのを忘れてさっぱりした気持ちと、もっと見たい気持ちと、やっと椅子から立てる解放感と、自分でもこのモチーフでダンスしてみたいと思う気持ちと、ダンスより演劇の方がリーチ広いなと感じる気持ちと、ダンスかっこいいなあと思う気持ちと。

何が何やら消化しきれないです。

絶対見に行って良かったと思いました。