スティーブ・ジョブズさんがコネクティングザドットとよく言う。

点と点を繋ぐ。

点はダンスの場合、ホールドとか、前進とかのテクニックだとすると、線はそれを繋いだルーティンといえるかもしれない。

さらには、その線が重なって面となり、そのダンサーの個性になり、その面が重なり立体になり、そのコミュニティやジャンル、文化になると私は考えている。


社交ダンスという立体は、他のペアダンスに比べると優雅さや基本を重んじると思う。

それは、アレックスムーアが作った教科書や、ドニーバーンズが打ち出したラテン種目の革新的なスタイルなどなどから出来ている。

彼らが好んだルーティンはベーシックとして整備され、各ダンサーに教えられている。

ベーシックを形作るテクニックを言葉にするのはなかなか難しい。


色々なテクニックが色々な方法で解説されるが、身体構造や感じ方は人によって違うので、誤解と切り離せない。

そこで大事なのが、この点は他の点と繋がって線になるはずだという信念だと思う。

自分のテクニック達の食い合わせが悪いのであれば、それは何かを誤解してるはずだ。


プロの華麗なルーティンも単純なテクニックの積み重ねでできている。

しっかり見続ければどういうテクニックの重ね合わせか分かるようになるはず。


忘れるために覚えなさいという言葉がある。

覚えた線を忘れて、点だけを知っている状態になった時、自分から自然と生まれる線が、覚えた線とどれだけ近いかで、自分の点を確認できる。


社交ダンスでいうと、足型、足の位置を最初に覚えて、スウェイやCBMなどの上半身のテクニックを習うという順序が多いと思うが、自分の上半身のテクニックを優先した時に、それに自然と足がついてくるかなど、発想を変えて練習するのが大切と思う。


話は飛ぶが、AIで用いられるディープラーニングも同様な発想に基づいていて、ここを正だとしたときにこうなるはず、そこを正だとしたときにそうなるはず、優先して考えるものをずらしながら、大量の確認を行い、よりそれらしいものへと近づけている。その結果、精度の良い予測と、新しい物を生み出すAIになる。


我々人間もAIに負けない効率の良い学習方法を取り入れて行かねばと思う。