5組のある夫婦の“不倫”を中心とした話です。
乾いた登場人物たち。熱くならずに冷めた関係。熱さとは無縁の毎日。繰り返すだけの日々・・・。
透明感・浮遊感・存在の軽さ。こういった軽さを細やかで丁寧な描写でくっきりと浮かび上がらせています。
今回の主人公は特に決まっていません。多分、一番登場が多い陶子夫婦だとは思いますが、どの登場人物たちも乾いた内容・展開なので誰が主人公でも同じですね。
主人公は各夫婦9人。
それぞれに、それぞれの物語があります。1つ1つの風景を切り取ってまとめたような物語です。
登場人物がとても多く、戸惑うかもしれませんが、それぞれが凄く魅力あるキャラクター揃いで、どんどん物語に引き込まれていきます。登場人物が多くても描き分けられる筆力は見事です!
江國さんは“家族”を描かせると本当に上手です。
既刊『流しの下の骨』とはまた違ったアプローチで“家族”、特に“夫婦”を捉えていっています。
確かに一体夫婦ってなんなのでしょうか?
夫婦って単なる制度なんでしょうか?
こんな疑問をいろんな夫婦の目線から捉える・・・とても面白い一冊です。
女性と男性ではまた感想が違うでしょうね~。
・読んだ日:'01/04/01~04/06。
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『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』
- 江國 香織 出版社 : 集英社 出版日 : 2000/04/30 売り上げランキング : 294,165 おすすめ平均 → Amazonで詳しく見てみる |