村山由佳さんの長編小説。
主人公の二人はそれぞれに独立し、社会的にも認められているそれなりのキャリアがある人たちです。
そんな二人が出会い、まるで学生のように恋に落ち、悩む・・・。というお話なのですが、なんとなく。
なんとなくですが、浅さとかっこつけた感じが見られて、この二人の恋愛がどうしても伝わってこない感じがしました・・・。
お互いに写真と染色というもすごく懐の深い、真理を知ることが永遠に出来ないような仕事をなりわいとしています。
それが単なる小道具になってしまい、この二人の恋愛のすみっこに追いやられてしまっている雰囲気になっているのがすごく残念でなりません。
そしてラスト。う~ん、なんかこのラストは嫌です。
恋愛をメインにしていたのに、急に「守る」とか「支える」とかそんな話がでてきて、「え?」「急にどうした?」と思ってしまいました。
舞台はアフリカ。こんな広大な土地にいれば「人間は所詮ちっぽけだ」と思うはずです。
人として生き物として生まれた以上誰にも侵されることのない「生きる」権利を誰でも持っています。
そしてどんな生き物も一人で生きて一人で死にます。
それを「守る」とか「支える」なんて結局「人間のエゴ」じゃん、「単なる自己満足」じゃんなどと思ってしまいました。すごく憤りを感じました。
自分の仕事すら生きることすら忘れてしまうような恋。それのラストがこういった形なのはやっぱりなんか・・・。
・読んだ日:'99/06/20~06/21。
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『野生の風』
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