『夢を見ずにおやすみ』鷺沢萌さんの小説。

1つの家族を舞台にした、『今日も未明に電話は鳴った』『あなたがいちばん好きなもの』『夢を見ずにおやすみ』を収録。

1話目は息子、2話目は母、3話目は息子の同級生と、主人公がそれぞれ違う形式になっています。


何と言っても「父」のキャラクターにひかれます。物語の登場人物、妻・愛人・かつての愛人などもそのキャラクターにどうしてもひかれてしまっています。そのひかれてしまう過程や状況の描写が面白いです。


この作品のテーマは「夫婦」です。

どんな夫婦にもその成立過程や成長過程になんらかのドラマが存在します。

ネタバレになってしまうので言いませんが、今回の夫婦の結婚でのエピソードもなかなか面白いです。

もしかしたらこんなエピソードはどんな夫婦にも多かれ少なかれあるような気がしました。


こういったドラマ。

このドラマの数だけきずなが強まるとか、愛が深まるとかはあるのでしょうか?

3話目『夢を見ずにおやすみ』は書き下ろしで、まるでそういったことは「ない」と結論付けるために付け加えられた話のように感じました。

ウェディングマーチ奏者という職業としての視点と妻という役割としての視点。

その2つから「夫婦」というものを、厳しく、明るく、そして暖かく描いています。


「一人よりも二人」とはよく聞く言葉です。

この本を読んで「二人でいることは一体何なのか?」ということを改めて考えさせられました。


・読んだ日:'99/07/10~07/11。



『夢を見ずにおやすみ』 『夢を見ずにおやすみ』 - 鷺沢 萠

出版社 : 講談社
出版日 : '96/01/08
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