読売新聞に連載していた小説の書籍化。
帯の文、「子供の犯罪に理由はない。子供の迷子に理由がないのと同じだ。」がこの本のすべての内容を凝縮しています。
子供・特に赤ちゃんは最初は残酷です。おもちゃを壊したり、動物をいじめたりします。
小さいうちにこの「魔」を落とされてみんな大人になっていきます。
もし、その「魔」が落とされずに大人になったら?
これは考えただけでも怖いです。
ストーリーは単純です。展開も明解です。が、その内容は鮮烈で、暴力に満ちています。
この本を読むと、今いる日本人の思想や価値観がいかにばかげているかを思い知らされます。
当時オープンしたばかりの高島屋タイムズスクウェア。タイム社の建物が何もないのになぜタイムズスクウェアだったのでしょうか?
こんなことがまかり通っていますし、今現在ですら状況は変わっていないような気がします。
殺人鬼フランク。彼に殺されるような日本人にはなりたくないと感じました。
平和に浸かり過ぎ、平和に慣れ過ぎてしまった日本人。彼はそんな日本にやってきました。
その理由がすごく面白い、と感じました。
ラストはネタバレになってしまうので言いませんが、こういう日本であること、こういう日本に住んでいることをもっと誇りに思いたいと感じた1冊です。
・読んだ日:'98/02/27。
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『イン ザ・ミソスープ』
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