新聞記者であり、ルポタイターであるジャナーリスト本多勝一氏の研究本。
本多勝一氏というと『週間金曜日』や『中国の旅』にて「南京大虐殺」を取り上げた人物として有名かもしれません。
そんな彼でも素晴らしい著作もあれば、「これはどうか?」と思われる著作もあります。
そういった良い本ばかりを取り上げて紹介していない点、いい面ばかりを一辺倒に取り上げていない点に好感が持てた一冊でした。
本多勝一氏を「日本人の中の日本人、記者の中の記者」という位置付けをしているのは言い得て妙な気がします。
何を考え何を思ってその多岐に渡る行動に出たのか、その断片を垣間見ることができました。
本多勝一氏は峻烈で、厳格な激情家です。そして、その一貫性は義理・人情と切っても切れないような気がします。
自然の恩恵を受ける人間として、悪者を覆い隠そうとするマスコミに対して旧恩を忘れない弱者の味方でもあります。
もしかしたらかつての日本人たる日本人とはこういう人だったのかもしれません。
私が本多勝一氏にひかれるのは日本人として失ってしまった何かを求めているからなのかもしれません。
日本は確かに発展しています。日進月歩の勢いです。豊かです。
しかし、それと引き換えに大事なものやアイデンティティを失ってしまっています。
それは多分、大多数の日本人が気付いています。
これは真の発展・真の豊かさなのでしょうか?・・・。
そんな「日本人とは?」ということを考えた一冊でした。
・読んだ日:'99/07/10~07/13。
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『本多勝一の研究』
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