『ノーライフキング』何が本物で何が偽物か分からない仮想現実、つまりヴァーチャルリアリティの氾濫する社会へ、そこに住む私たちへ警鐘を鳴らしている小説です。
この小説を読んで「妄想だ」と「まったくの作り話だ」と笑い飛ばすことはできないような気がします。

それはやはり、何が現実で何が非現実なのかなどは分からないからです。

多感な小学生たちが逃れることのない魔物のような存在である社会に必死にあらがい、抵抗し続けます。

それは今も昔も変わっていません。


この社会

社会には従属しなければいけないのでしょうか?社会は敵なのでしょうか?とすると、人生とは戦い続けることなのでしょうか?この戦いは参加しなければならないのでしょうか?傍観していてはいけないのでしょうか?

知らず知らずのうちに社会の一部に組み込まれてしまった私たちに「社会」とは何かを考えるきっかけを与えてくれた一冊です。


1988年、つまり昭和発行のため内容からは古さが否めませんが、どれだけ時間が過ぎても、いつの時代も変わらないこと・色あせないことはあるのだなを感じます。

「真実」とは何か、すべて「虚像」なのか、などいろいろなことが盛り込まれている一冊です。

確かにマイナーな本ですが面白い内容でした。


・読んだ日:'98/02/08。



『ノーライフキング』 『ノーライフキング』 - いとう せいこう

出版社 : 新潮社
出版日 : '91/05(書籍は'93/11/12出版)
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