吉本ばななさんの書き下ろしの長編小説。
不思議な雰囲気の女性と暗い過去を背負った男性という吉本ばななさんお得意の設定です。しかし、今回はそこに白いテリアのオリーブという犬が存在があるのが大きく違っています。
しかも、今回の話は過去がものすごく暗いです。
「生きる」ということを誰にも肯定されていないという想像をすることのできない状態です。
もしも、自分の普段の生活に自分を否定するものが気付かないうちに少しずつ入ってきてとしたら・・・それは筆舌に耐え難い辛さなような気がします。
自分はこうして生きているのに、それを否定されてしまうということは本当に辛く、生きていることに価値を見出せるでしょうか・・・。
そんな過去の彼の告白の情景にすごく胸を打たれました。
自分には関係がないとはいえ、自分の血に肉に骨に血液に自分が忌み嫌うものが入っていると考えると本当に恐ろしいです。
海を眺めた二人が感じた「ちっぽけな力強さと美しさ」に命の荒々しさや息吹、滑稽さや素晴らしさを感じました。
また、挿絵のテリアはMAYA MAXさんなんですが、これがすごくぴったり!
この本の世界観とよくはまっていて、この本一冊が統一された不思議な世界を表していて心地よい一冊になっています。
・読んだ日:'99/07/06~07/10。
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『ハネムーン』
- 吉本 ばなな(よしもと ばなな) 出版日 : '00/07(書籍は'97/11/25出版) |
