修羅場 | ハーレム留学

修羅場

<前回までのあらすじ>
「SAYONARA BANQUET」が終わりボーリングへ行った俺。
リーダーたちうぜぇ。
俺はそれなりにまともな投球。
さらに2ゲーム目突入。
周りのみんなは続々と帰っていく。
そんな頃、俺の肩をたたく人が。
どうする、俺? どうなる、俺?

沖縄なんかもいつの間にか帰ってて後は
俺、栗山君、お笑い君、小学生君、FBI君、テンションさん、
中澤さん、ふにゃ、林檎姉妹くらいしかいない。
そんな頃、俺の肩をたたく人が。
ふにゃ。
何かと思って振り向く。
驚愕の言葉が。


ねぇ、私達が俺君のこと

嫌いっぽいって栗山君に話した?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・どこから聞きました?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



うぉおおおおおーーーーーーーーーいッッッッッ!!!!
なんだこれはなんだこれは!!!!
空襲警報、空襲警報!!!
♪「―短夜半夏、嘘を眩むとぞ―

  疑うなんて浅ましいです」(東京事変「修羅場」)
頭の中で「修羅場」が流れ始める。
やっべぇええええ! 
疑うなんて浅ましいですけど栗山ぁ! てめぇだろ!
「俺は生まれて初めて心の底から震えあがった・・・
 自分の口の軽さとアメリカ人の口の軽さに・・・
 悲しみと絶望に涙すら流した。
 これも初めてのことだった。
 俺はすでに死にかかっていた・・・」
ちくしょう! 何で栗山君に言っちゃったんだぁ、俺!
そんなことがぐるぐる頭の中を駆け巡る。
うわぁ・・・どうしよ・・・
そんな時に「モッテー、ハヤークゥ!」とお笑い君に怒鳴られる。
ナイスタイミングゥ!
10フレーム目。
1球目。
ストラーイク。
2球目。
ストラーイク。
やっべぇ、時間稼がないといけないのにすんなりストライクとか取ってる。
しかもこんなときに2連続って・・・
もうターキー取っちゃいたい。
俺はターキーを取るぞぉ、JOJOォ!
でも3球目は1本だったりする。
すごすごと戻ってくる。


結局栗山君には1点差で負けた。
でもまぁ、そんなことはいいんだ、どうでも。
席へ帰るとふにゃさんが待ってる。
俺は隣の席に座る。
「栗山君が話してくれたんだよ。私と沖縄ちゃんに。
 沖縄ちゃんはあの子キツイ子だから
 『なら別にいいです』とか言ってたけど」
あぁ、沖縄さんだったら言いそうだな・・・
つーかまた「さん」付けに戻そう、やばいわこれ。
「あぁ・・・そうなんですか・・・」



いやな気分にさせちゃって

 ごめんね・・・
 少なくとも私はそんなこと

 全然思ってないから・・・


え、あれ、ちょ、ちょ、ちょ、おまっ


え、ちょ、め、め、赤、目赤いよ、ね? ね?


え、ちょっと目から汗出てますよ、え?


いやいやいやいやいやいやいやいやいや!


それは、ちょっ、ちょっと、ねぇ!


困る、困ります、俺、女子なんか泣かしたことなんかないんだから!


ちょ、いや、ちょ、もう、え? 泣かないで!


泣かないでーもーうすこしー!


泣かないでって、俺死ぬから!


今から断末魔の叫びあげて死ぬからッ!


ごめんごめんごめんごめん!


な、なんだこれっ!


いやいや、ちょ、泣かないでくださいって。
 女子を泣かせるのとか趣味じゃないですから


バカ、お前こんな時に何笑えるセリフ言ってるんだ。
ふにゃさん少し笑う。

「ごめんね・・俺君・・」

またポロリと涙がこぼれる。


いやぁ!!!!!


ちょっとぉ!!!!


あ゛ー、もう!!!!!!


やけくそじゃぁぁぁぁあああああああああああっ!!!!!!!!!

どげざ【土下座】
 申し訳ないという気持ちを表すために、地面や床にひざまずいて謝ること。
 今俺がふにゃさんにしていること。
 さらにランク上のものとしてそのまま靴をなめる場合もある。

「こっちこそなんか勘違いしててすみませんでしたぁぁっっ!!!!」


いや、俺君も土下座なんかしなくていいよ。。。


頼まれれば靴をなめてもいいとか思ってたけど、立つ俺。


「すいません!」

いや、悪いのは私だから・・・
 ごめんね、俺君・・・


また目がウルウルきてる。
ちょ、おまっ、女子の涙は本当武器だよ!
しかもこんなかわいい子に涙なんか流せてる俺は本当悪だよ!
もう、「すいません」「ごめんね」の掛け合い。
あぁ、何やっちゃってるんだ・・・俺・・・
明日アメリカを発つというのに
栗山君たちも「どうしたんだ?」って見てるじゃないか。


ごめんね・・・
 私グループとか作ったことなかったんだけど・・・
 なんかみんなキャラ強すぎて・・・
 ごめんね、俺君置き去りにして・・・


なんていい子なんだよ・・・ふにゃさん・・・

「いやいや、俺が勝手に勘違いしただけですから。
 本当すみません。
 っていうかまた泣かないでくださいって」


ふぇええ゛(泣き声)
 いや、だってそう仲間はずれにしてた自分が許せないんだもん・・・
 ごめん、ごめんね・・・グスッ


もう、俺に何をすればいいといいんですか・・・
俺はもう、頭の中ぐしゃぐしゃだよ・・・
なんだよ、なんなんだよ・・・
俺は、もう、なんなんだよ・・・
単なる勘違いバカだよ・・・
はぁー・・・・・・


「じゃあこれでおあいこってことで。
 勘違いしてなんか泣かせたりしちゃってすみませんでしたっ」


「私も仲間はずれになんかしちゃってごめんね・・・グスッ」


そうしていろいろな話をしだす。


「なんかサンディエゴのホテルでリーダーちゃんが
 『何で俺君時々関西弁なの?』とか言ってたりしてたんだよね・・・
 それに私も同調しちゃったりして・・・」


「いや、うちの母親が京都の人間なんですよ。
 だからばあさんちとかも関西弁なんでそうなんですよね・・・
 もともと俺が社交的なほうじゃないから
 いろいろしゃべらなかったのがいけないんですけど
 そういうのあったんなら聞いてくれりゃ
 そういう風に返したんですけどね・・・」


つーかあの変な関西弁引かれてたかー。
陰口かよ・・・まぁ俺がいけないんだけど・・・


「もともとどうしてそう思ったかって言うと・・・
 はなさんちのプール行きましたよね」


「うん・・・」

「あの時ふにゃさんたちが『なんなんだろー』って
 塩素のブイか何か開けようとしてたじゃないですか。
 あの時俺が『あほかw』って突っ込みいれたじゃないですか。
 そしたらふにゃさんが

 『モテ君にあほかって言われた・・・』

 って言ったんですよね・・・
 俺はそれを冗談だろうと『なんすか、それwww』って返したんですけど
 なんかみんなして引きっぱなしみたいな状態だったんですよね」

「え、そんなこと言ってたの・・・
 私は本当いつもリーダーちゃんたちに言うようなつもりで
 『あほかって言われた』って言ったんだけど、それは聞こえなかった・・・」

「俺も単なる冗談だろ、と取ろうとしたんですけどリアルすぎたんですよね・・・
 しかも引かれる理由なんて腐るほど出てくるから
 今まで自虐的に捉えてたものが

 すべて本当にそうだったような気がしてきて・・・
 もうなんかすごい人間不信みたいな感じになって・・・」

「ごめんね・・・」

どうやらそこから俺の思い過ごしらしい。
じゃあ一旦マジと捉えたのはなんだったんだ、

という疑問があるけどもうなにがなんだか。
あの事件の後完全に嫌がられてると思った事件も

あったのにそれはなんだったのか、
という疑問も出てくるけどもう本当何がなんだかわからない。
まぁすべてが俺の本音を引き出すための

ふにゃさんの嘘の涙だとしたら納得いくけど
さすがにあれだけ泣かれてそれはない。
とにかくいろいろ話した。

そして2ゲーム目も終わり、帰る頃に。
靴を返すために受付の方へ歩く。
そのときに自分の頬をはたいてみる。
自分への戒めと現実と虚構の確認のために。
俺、なにやってたんだろうな・・・
女子まで泣かせて自己嫌悪。
ふにゃさんは「どうしたの?」という
テンションさんに「なんでもないよ・・・」と弁明。
靴を返している栗山君に「ちょっと来い」とみんなから少し離れた場所へ。
「お前俺が嫌ってるらしいって言ったの?」
「うん。沖縄ちゃんとふにゃさんには」
「リーダーたちには言ってないな?」
「うん、言ってない」
「なら、もう絶対言うなよ、It's serious!!」
そう言って諭す。

靴も返し、ふにゃさんの涙も収まり、親父さんが来たので
「じゃあ、また明日」と言ってみんなと別れる。
店から出る。
そうするとふにゃさんのホストファミリーのモナリザさんたちもついてくる。
「ふにゃさんも親が迎えに来たのかな」と思うと
そういえば今日一緒じゃん」とか言い出すふにゃさん。


な、なんですとぉ!

モナリザ家は親が共働きのため来れないらしい。
今日の「SAYONARA BANQUET」の時初めて親見たからね。
だからモナリザさんとふにゃさんの送迎はいつも栗山家がしてくれてた。
そんなわけで俺らは同じ車中に。
ふにゃさんと後ろの席に2人で座る。
またさっきの話の続きのような本音トークが始まる。

「俺メガネ嫌いなんですよね。
 サンディエゴ行く時にパスポート忘れたじゃないっすか、あいつ。
 それなのに謝り無しでしたよね。
 しかも列車の中で栗山君が 『Why? ナンデワスレター』とか言ってるのに
 リーダーさんそれ擁護してたんですよ。
 なんか向こうも嫌ってるみたいなんで俺も嫌ってて別にいいんですけど」
「あー、沖縄ちゃんも言ってた。
 『メガネちゃんが謝らないのはおかしい』って」
沖縄さんもそれ思ってたのか。
そうして女子勢の好き嫌いの話に移っていく。
「私リーダーちゃんのグループとも仲いいじゃん?
 だからリーダーちゃんたちからも相談されるし
 沖縄ちゃんからも相談されるんだよね。
 なんか大学生だから頼られてるみたいで・・・」
で話を聞けばリーダーグループは沖縄さんのことを嫌ってるらしい。
頭脳レベルが別格だもんな。
でもそんな素振り俺見たことも思ったこともなかったよ。
女子って恐いな。
心の中じゃ何考えてるかわからねぇ。
なんなんだ、こいつらは。
今日も笑って話してたじゃねぇかよ・・・
恐すぎ!
弱気さんもいまいちみんなに好かれてないよね。
 なんていうか笑いのツボが違うというかなんというか・・・」
「あぁ、わかります。
 ちょっと感覚が僕らと違うとこありますよね」
なんて言ってる。

なんかいろいろ複雑なので図にまとめてみた。


correlation







弱気さん集中砲火。
「案外一番嫌われてるの弱気さんなんじゃね?」
とか思ったけど弱気さん、ふにゃさん以外の女子勢が
俺のことどう思ってるかわかんないし
少なくとも沖縄さんは何かしら悪意を持ってることは確か。
まぁともかくどろどろだな。
こんなやつらに囲まれて3週間を過ごした俺はすごいと思う。


ずっとふにゃさんと日本語で話していたのでふにゃさんが急に
「ずっと日本語で話していてすみません」
とかFBI君たちに謝る。
すると親父さんが
「いや、大丈夫だよ。
 君らはいつも英語でしゃべっているだろ?
 たまには休息も必要だよ。
 それに明日で帰っちゃうだろ?
 興奮してたくさんしゃべることもあるだろうし私はかまわないよ」
と言ってくれる。
親父さん、なんかかっこいいわ。

そういうわけで話を続ける。
「リーダーちゃんとかむちゃくちゃキャラ濃いじゃない?
 他のみんなもキャラが濃いから大変だよね。
 とりあえずリーダーさんについていく形にはなるんだけど
 メガネ、広末ちゃんと沖縄ちゃんだと違うんだよね。
 なんていうか私立と公立の差というか。
 私たち私立じゃない?(俺、ふにゃさんともに中高一貫校)
 だから温室育ちだからあんまいじめとか
 仲間はずれとかグループとかなかったけど
 公立だとああいう感じなんだろうねー。
 私グループとか作ったの初めてだもん。
 ごめんね、それで一人ぼっちにさせて・・・」
「いやいや、俺が消極的なのがいけないんですよ。
 それにグループから切られたくないのは普通ですよ。
 結局自己犠牲とか言いつつも人間って自分本位な生き物ですから。
 そりゃ、俺に近づいてはぶられるんだったら
 そのままグループにいる道をとるべきですよ。
 結局両方いやな思いをするんですから。
 それなら1人がいやな思いを背負ったほうがましです」
とか抜かす俺。
とにかくいろいろふにゃさんと語り合った。


なんか途中でもうテンション上がりすぎて
僕結構ふにゃさんのこと好きだったんですよね。
 だからその事件の時も結構ダメージ大きかったんです。
 あれがリーダーさんとかだったらまだましだったんでしょうけど

とか言おうとしてた。
何告白しようとしてんだ、俺。
興奮してるからって、それはないだろ。
もう完全に彼氏がいる相手に告白て。
でも、そういや昔
「最終日にふにゃさんか広末さんか弱気さんに告白しようかな」
とか思ってたなぁ・・・
なんか懐かしい。

そうして語り合ったふにゃさんの泊まっているモナリザ家につき
「今日はありがとうございました。
 ふにゃさんが言ってくれたおかげですっきりしました。
 ありがとうございました。
 じゃ、また明日空港で」
「別に謝るのはこっちだよーw
 うん、じゃあ明日」
と別れる。
ふにゃさんも感傷モードから戻ったようだし
俺もなんかいろいろ吹っ切れたしいい夜だ。
ふぅ・・いい・・夜だなぁ・・・・
なんかちょっと逆に俺が感傷に浸ってた。

そうして家に着く。
家についてやること、それは感謝の手紙を書くこと。
栗山家、FBI家、それぞれにはがきに
お礼の言葉を書いて最後に渡そうと思ってた。
また電子辞書なんか引いて書いてる。




勝手に取ってっていいよ、と言われていたこんなジュースを飲みながら。

そうすると親父さんが急に来る。
何かと思えば
「私は明日の朝早くて、君には会えないんだ・・・
 だからさよならを言いに来た・・・
 君をホスト出来て本当によかったと思っている・・・
 私たちの家に来てくれてありがとう・・・
 私は君に感謝しているよ・・・」
なんて言ってくる。


いやいや、感謝すべきは俺でしょうが・・・
何を言ってるんだよ、親父さん・・・


「いえいえ、僕もこの家へこれてよかったです。
 本当にホストしてくださってありがとうございました」
とか言う。

そして最後にハグをし、握手すると
「あぁ、本当にありがとう。

 じゃあ、いい夜を」
とドアを閉め、去っていく。

あぁ、親父さんに会うの最後なのか・・・

さっきのふにゃさんの影響もあるし
うわぁ、ちょっとこれはやばいかも・・・

そんなことを思いながら手紙の続きを書く。

そしたら今度はお姉ちゃん。


「私、明日大学があるの。
 だからたぶん会えないと思って・・・
 俺、FBI家に来てくれてありがとう・・・
 あなたに会えて本当によかったわ・・・」
なんて言う。

もう、この人たち俺に感謝させない気?
俺のほうが感謝しなくちゃいけないのに・・・

また同じようなセリフを返す。
姉ちゃんウルウルきてる。
おいおい、1日に2人も女子泣かしちゃったよ・・・
やばいわ、俺もう泣きそうになってるわ・・・
ちょっと、男は泣かないで別れるもんなんだよ・・・
そういう剛健な男なんだよ・・・
はぁ、なんか本当に泣くテンションになってきた。
何とかこらえ、姉ちゃんともハグして別れる。


はぁ・・・これで会うの最後なのか・・・

はぁ・・・多分もう二度と会わないんだろうなぁ・・・

はぁ・・・・・・ふぅ・・・・・・はぁ・・・・・・ふぅ・・・・・・

なんかしんみりしてきた・・・

うん、人がいなかったら泣いてもいいんじゃない?
なんか自分に「泣こう」とかプレッシャーをかけてる俺がいる。
結局泣かなかったけど。
そうしてちょっと感傷に浸りながら手紙を書く。
途中であくびが出る。
一緒に涙も。
「ふう、こんなところで涙かよ」
とか思いつつ何とか手紙を書き終えて就寝。
もう2時だった。
あぁ、最後の夜か・・・
もうこのベッドで寝ることもないのか・・・
ふぅ・・・・・・ZZZ(つづく)