プール | ハーレム留学

プール

<前回までのあらすじ>
朝髪がえらいことに。
そして市内見学で色んなスーパーに行った。
昼はうちの市にも支店がある会社で飯。
ケーキ青い。
石油採掘所ではくさいとか言われる。
午後ははな家でプール。
どうする、俺? どうなる、俺?

プールにゃいい思い出しかないわけですよ、俺には。
あの伝説のゲーム「truth or dare」とか女子の水着姿とか

モテダイブでおいしいとか。
そういうわけで俺は今日もおいしい展開を期待してた。
着くとすでに栗山兄とか小学生君とかが来てる。
いきなり俺に黄色い袋を渡してくる栗山兄。
「何だ?」と思って少し中を見るとちょっときわどい本が。
Let's enjoy this」とかいって笑ってる。
女子勢の目の前で何渡しとんのじゃボケ。
でも「Oh! Thank you very much!」と言うし本心もうれしい。
こんな本プログラム中に買ったり出来ないもん。

とりあえず俺はトイレへ行きたかったので行くとすでにふにゃさんが入ってる。
というかふにゃさんの声が聞こえる。
そのドアを必死で開けようとしているはなさんの父親。
これだけ見ると単なる変態。
しかしふにゃさんの困惑しきった声によると
鍵閉めたら鍵が回らなくなっちゃって出れないの」ということらしい。
親父さんは工具を取りに行く。
俺も必死でノブを回してみるけど開かない。
なんか
まだトイレしてないから先にしちゃっていいかな?
とか言い出すふにゃさん。
いやいやいやいや、俺ここにいるし。

そんなのに「いいともー」とは答えられませんよ。
しかも開けようとしてんのにトイレって。
開いた時に・・・て展開はラブコメの世界だけでしょうが。
「その音を聞け」みたいな痴女的なことじゃないでしょうに。
「いやいや、開けようとしてんのにだめでしょそれは」と突っ込むと
「そっか」と返事。
久しぶりにドジッ子キャラ。
「じゃいったん離れてて」ということでそうする。
というか
さっきのも『トイレするから離れろ』という意味だったんじゃないか?
と気づき後悔。
「いいよー」の声で戻るがなんなのだ、これは。
すごい怪しい感じ。
そして親父さんが戻ってくる。
針金みたいなのを鍵穴に通していじくると直る。
元泥棒ですかあなたは?
サムターン回しの世界の住人ですか?
まぁとにかく
「はぁーよかったー。本当に出れなくなるかと思ったよー」
といってるふにゃさんはかわいい。
つーかトイレの小窓に争いの跡が見えますね。
とにかく俺もトイレへ入って、恐いので鍵は閉めずに済ませ着替える。
これも危ねぇよなー。
御対面したら御開帳はないだろ。

そんなことありつつプールへ。
中澤さんと弱気さんは日焼けがいやで入ってない。
お笑い家と同じく飛び込み台がある。
いつものモテダイブ。
もう何回もやってるためさほどウケない。
ボールがいっぱいあってそれを投げあったりしてる。
女子に投げるのは忍びない。
だから最初は来たら一番打ち解けてる男子の栗山君に投げてたんだけど
「お前はうちでの恩を忘れたのか?」的なことを
ふざけて言われたのでお笑い君に。
でもとにかくプール上でボールを奪うためには運動能力が必要。
ボールが跳ねて変なとこ行ったら早く取りに行かないとダメ。
周りの男子はみんな運動神経いいから俺のダメさが浮き彫りになる。
お笑い君あれでいて泳ぎむちゃくちゃ早いんだもん。
しかも投げんのも他の男子が投げる強烈な球を投げられない。
ダイブも今回は人が多いからあんまできないし俺いいところがない。
なんかもやもやした気分。

ボール投げも一段落して何もやることない俺。
リーダーさんがプールに浮かんでるブイみたいなのを見て
「なんですかね、これ?」とふにゃさんに話してる。
うーん、塩素じゃない? 開けてみようか?」とかいって
ふにゃさん、リーダーグループが集まってその物体のふたを開けようとしてる。
するとお笑い君が「poison,poison」言って笑ってる。
俺も「わざわざ開けなくてもいいだろ」と思い
あほかwと笑って突っ込み。
そしたらふにゃさんが


モテ君にあほかって言われた・・・

と振り向いて見てくる。
他の女子も「うわっ」みたいな感じで見てくる。
俺は「いやいや、なんすかそれw」と笑って返すも
「うわー」みたいな感じのまま無視。
さっきのリーダーのハァ?みたいな目はなんだ。
沖縄さんも何言っちゃってんの?みたいに引いた感じで見てた。
メガネも軽蔑の目で。


あれ、あれあれあれあれ・・・・・・?
え、何これマジ?
俺が自意識過剰だからそう思うんじゃなく普通に女子勢俺のこと嫌ってる?
え、ちょっと待って?

今までいろいろ「うっわ、また評価下がったな」って出来事があったけど

全部マジで引いていってた?

今までいろいろ「女子勢に嫌われたんじゃないか?」って出来事があったけど
俺の悪い自意識過剰のせいじゃなく全部マジでそう思われてた?

「またやられたよ・・・」「またやっちゃったよ・・・」と

自虐的にネタとして書いてたものも全部本当にそう思われてたってこと?


えぇ?

ちょっと、え?

もうなんか整理つかない。

いや、それでも弱気さんなら弱気さんなら何とかしてくれる・・・
弱気さんがプールの温度がどれくらいなのか水に手を入れてる。
そこへ寄っていく俺。


しかしシッシッと手で追い払われる。

あれ? 弱気さんお前もか・・・

今まで俺ほとんど1人だったのに一緒に話したりしてくれたのは

派遣生のリーダーという立場だったから?
はぐれ者が出ないように気を使ってくれてたわけ・・・?
リーダーだからやるっていう単なる使命感だけだったわけ?

そういうことか・・・・・・・・・・・・

思えば色んなことあったなぁ・・・・・・

スケートで女子よりも転びまくり「ダサッ」と思われてたのか・・・


ビーチパーティーで穴にみんな入れられ
何でこんなやつと一緒に穴にいないといけないんだよ、汚らわしい
と思われてたのか・・・

Universal Studioでふにゃさんに

こんなやつとカップルに見られてたまるかよ」と思われてたのか・・・

スピーチで「ブロンドかわいい」なんて言って「ウワッ」て思われてたのか・・・

ハリウッドのブランド品街でずっとキレかけてたのも
ハァ? うざくねコイツ」と思われてたのか・・・


ドジャースゲームで1人ではしゃいでて

なんだよ、こいつ・・・」と思われてたのか・・・

プールパーティで超興奮してたのも「キモい」と思われてたのか・・・

本当に「お前なんかがワックス使って意味あるかよ」と思われてたのか・・・

キャンディくわえたまま写真とって「バカじゃん?」と思われてたのか・・・

腰が「くすぐったい」んじゃなくて「触んなよ、ボケ」と思われてたのか・・・

テンションさんの質問に戸惑ってるのを見て

アホめ・・・」と思われてたのか・・・

そして今日の朝の
自分ではかっこいいと思ってんじゃないの?
ってのは決定打だな。

本気でそう思っていたんだね。
幻聴なんかじゃなく本音をたまたま聞いてしまっただけなんだね。
俺の周り敵しかいないんだね。


アメリカ勢しか逃げ道はないのか・・・


いや、アメリカ勢の女子は違うんじゃないか?
ずっと一緒に行動してるんだから
女子勢と一緒のところで引いてるんじゃないか?
やばい、信頼できんの団長、栗山君、お笑い君とホストファミリーだけだ。
いや、その中にも引いてるやついるんじゃないか?
あぁ、人間不信。
もう無理。


もうなんかすべてどうでもいい。

もうすべての人が敵なんじゃないか、ということも夢想。
この世で確実に信じられるのは自分だけだ。
そんな時に俺の頬にボールが当たる。
リーダーの投げたボール。
ゴメーン」とか言ってるけど違うんだろ?
またボール投げが再開されるけど
俺は適当に近くにきたら取りに行ったり避けたりしてるだけ。
今日プールでもてはやされると思ってたのにこのどん底は何?
本当にやる気ない。
心神喪失。
まさにその言葉の通りの心境。
「早くプール終わらないかな・・・」と
「明日が土曜でよかった。
 顔あわせなくてすむし。
 あと3日間顔あわせる日を我慢すりゃ日本に逃げ込める。
 地獄の3日間さえすぎりゃいいんだ・・・」
とだけ思ってた。

FBI君がいったん外へ出たのでその間に
「タオルない?」と聞いて一足先に上がる。
もう俺本当この場から一刻も早く逃げ出したかったんだもん。
本当これ以上ここにいたら水ん中入って溺死しようとしてたし。
とにかく39℃の熱を出した時よりも何よりも
今まで生きていた中で一番のローテンションでため息をつき
これからどうしよ・・・
なんて考えながら着替える。
やっとプールが終わり、女子勢も着替えに行く。
栗山兄が「帰ったらそれで楽しめよ!」なんて笑いながら言ってる。
どうやら彼は敵ではないようだ。


はなさんちに直接それぞれの家の人が迎えに来る。
残ったのは俺と広末。
FBI君ははなさんと話してるから2人きり。
でも何も話せない。
いや、話しても嫌がられるなら話さない方が良い。
嫌われているのにさらに嫌がられるようなことをするのは単なるドSかドMだ。

俺は何をすればいいんだろう。

とりあえず今日工場で渡されたお土産の紙袋を開けてみる。
広末もそれにしたがって自分のを見てる。
すると「これ団長のだ」と言い出す。
そのお土産の紙袋の中に団長のポーチが。
「もう行っちゃったかなぁ」と焦って外に出る。
俺も出てみる。
でもいない。
しょうがなく事情をはなさんの両親に伝え、
団長のホストファミリーに電話しといてもらう。
なんかその結果広末と少ししゃべった。
それによって

やっぱりあれは単なるネタなんじゃないのか?
という思いが横切るも
自分ではかっこいいと思ってるんじゃない?」という言葉と
弱気さんのシッシッという行動、
その他たくさんの思い当たる節によって打ち消される。

そういや、こないだ帰りの列車で日記見られてたのかもしれないのか・・・
それ一番大きいんじゃないか?
それで弱気さんも引いたんじゃないか?
リーダーグループもさらに引いたんじゃないか?
その噂をみんなに流して俺は嫌われたんじゃないか?

自分でいいほうにいいほうに考えようと思案をめぐらすも
どうやってもそういうようなたくさんの思い当たる節を
すべて消すようなことは出来ない。


逆にあれが本当だったということを強く裏付けるだけ。

なにも・・・なにもできない。
いや、ひとつ出来ることがあった。

俺に出来ること、

それはあいつらを嫌いになること。


つまり

あいつらが俺を嫌い』なのではなく
 『俺があいつらを嫌い』だから近づかないんだ

と思い込むこと。

そうやって自分を擁護することしか出来ない。
それを思いつくとメガネたちへの怒りがわいてきた。
でもそれは「あいつらが俺のことを嫌いだ」という事実を
燃やすにはあまりにも小さい炎。
俺は本当に「死なないといけないんじゃないか」と考えるほど弱気。
そんな炎簡単にプールの水でも消せてしまう。

俺は・・・どうすりゃいいんだ・・・・・・

やっとFBI君の母さんが来て帰る。
しかし今日は5:30に再集合しないといけない。
なぜならHollywood Bowlというコンサートのようなものがあるからだ。(つづく)