「がんばれよー!」
そう言って、会社の先輩達が、突然チィを担ごうとした。
「いや、いいですって、うわっ
」夜の新宿で、胴上げ三回。
大学入試に受かった時以来の経験であった。
「お金の工面が出来なかったときは、バーカと思ったけどな笑
無事、就職決まってよかった。
開業したら、絶対ここにいるみんな、招待しろよ!」
最後に、課長が檄を飛ばした。
「まず、来月からの会社で、店長になったら、連絡しますよ」
「夢や、やりたいことあるのに止める理由はないから。ただ養っていかなきゃいけない家族がいるんだから、そこのところはちゃんと考えてな。」
隣に座った人事課長も仕事の合間を縫って駆けつけてくれた。
〈思えば、この会社に入っていろんなものをもらってばかりいた。いつか必ずお返ししよう、俺が成長した姿をみせることによって〉
前々日に、同期が主催した、送別会でも、部署内の送別会でも、チィは同じ言葉をみんなに贈った。
「夢と情熱をもって壁を乗り越えて行ってください。」
それば、まさしく、自分自身に向けた言葉でもあった。
気付くと、チィの家には、みんなから贈られた多くのプレゼントでいっぱいになっていた。
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