〈今の時期にお金のことを心配していたら、とても開業なんでできない。〉


チィは、悩みに悩んでひとつの決断を下そうとしていた。

二度、三度による、融資に関する公庫との交渉で、当初予定していたスケジュールよりかなり遅れていたのだ。

そして、最後に担当者が放った言葉には、さすがに楽観主義のチィもどーしたものかと気を落としていた。


「やはり、間取りというか、店内の構造も手を加えるべきだったと・・・」


「前の店は、十年営業してきたんですよ!?あと、この構造は、店内も見渡しやすいし、地域の情報共有の場という店のコンセプトにも合ってます!」


声を荒げて、担当者に訴える反面、

〈絶対あきらめないつもりだったが、ここは一旦白紙に戻した方がいいかな〉


担当者を口説こうとする言葉とは裏腹に、冷静に次のステップを模索していた。


〈今回、このままダメなら、物件取得に関わる契約金の半金
を失うことになる。ただ、俺は真剣だった。今持てる全てを投げ打って勝負に出た。そこで学んだことは、次に必ず活かされる。人生の先行投資だ。〉


実力不足だったー。


開業を延期したその夜に、実家に向かい親に報告した。


「そういうことだから、夢を延期する。飲食系の会社に入って力を蓄えて再度挑戦するから」


「そうね、その方がいいわよ。いろいろ勉強しなさい」


母親らしい、言葉だった。


妻には、「ごめんな。今から転職活動するわ」


妻に言った途端、悔しさがこみ上げてきた。


「俺あきらめないから。20代のうちに再挑戦する」


出そうになる涙をこらえながら、明日を見つめていた。


さあ、転職だ!メラメラドンッ爆弾



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