自宅最寄り駅を出てすぐのところにケーキ屋さんがある。
そのお店がいつから小さな黒板に「Happy Birthday」と書いて日替わりで数名の名前を書き出すようになった。
Happy Birthday○○さま、の○○の部分は毎日替わる。きっとこの店でケーキを注文する方の名前なのだろう。
長男はいつしか、ケーキ屋さんの店先でこの人名をチェックするのが常となった。
そして先日こういった。「僕も名前書いてもらいたい」。
これは困った。だって彼の誕生日はその前月に終わったばかりで、次の誕生日まであとまる一年ある。
しかしその時私の頭にある考えがひらめいた!長男の誕生日の翌月は、かれの父親(=夫)の誕生日なのである。
かくして某日、私たちはケーキ屋さんに入り、小ぶりのバースデーケーキを予約する。ケーキには長男の名前を入れてもらい、黒板にも名前を書いていただく依頼をする。
そして、夫の誕生日当日。意気揚々とケーキを引き取りにゆく。黒板には長男の名前が。彼はそれを見て、嬉しいような照れくさいような表情であった。
ベリーの乗った生クリームケーキはとってもおいしかった。一番喜んでいたのはこういう機会でも無ければケーキを食べる機会のない私、だったかもしれない。