旧士幌線は1924年12月に帯広~士幌間が開通し、徐々に路線を延ばし、1939年11月に十勝三股まで開業した路線です。
当時の沿線は林業が盛んで、終点の十勝三股では営林署が敷設した森林鉄道により搬入された木材の搬出で賑わっていました。
しかし、北海道の林業全体が衰弱していき、並行する国道273号線も整備されて、旅客数、貨物量ともに激減し、1978年には終端部の糠平~十勝三股間がバス代行となりました。
その後も旅客数が減り続け、1987年3月、JR化を前に廃止されました。
この路線には「黒石平」「電力所前」の2つの面白い駅があり、前者は十勝三股方面の下り列車のみ停車、後者は帯広方面の上り列車のみ停車するという特徴がありました。
両方の駅とも急勾配の途中にある駅で、上り勾配の列車が止まると発車が困難となるため、2駅で1駅としての役割を持っていたのです。
写真は終点十勝三股のひとつ前の駅だった「幌加駅跡」です。
付近は先述の国道273号線が平行し、除雪ステーションが建っているほかには集落も無く、すっかり自然に還っています。
駅名標の文字は新たに書かれたようで当時のものではないようです。
5月ですが、周辺の日陰にはまだ残雪がありました。
写真はタウシュベツ橋梁という糠平湖(発電用ダム湖)の底に沈む旧士幌線の鉄道橋で国の登録有形文化財にも登録されています。
この時期にはダムの水が融雪(雪解け水)により水位が上昇する前に、あらかじめ水位を下げておくため、このように橋梁が現れます。
何とも神秘的ですよね。
この周辺は旧士幌線の橋梁等が数多く保存されており、廃線跡めぐりにはおすすめです。
糠平温泉もありますので、泊まりがてらの散策も良いですよね。

