もう11月。 ですが、今年はその割には暖かくて助かります。 まだ、ロングコートを着ていませんから。
本日は再びオペラハウスへ。 メインハウスではなくて、地下のリンバリーにて。
今月半ばから始まる、フレデリック・アシュトン振付の『シンデレラ』のリハーサル。
アーティストのジェームズ・ヘイと、ヴァレンティーノ・ズチェッティがバレエ・マスターのクリストファー・カーの元、道化師のリハーサル。
ジェームズは前回はアンダースタディーだったそうですが、二人とも、この役は初。 普段はレペティターのアレクサンダー・アガジャノフが指導をしているそうで、クリストファーが二人を見るのは初めてのようです。
クリストファーはロイヤルバレエのフルタイムのバレエマスターはもう辞めていますが、よく戻ってきて指導をしていらっしゃいます。 とてもわかりやすく、なおかつ的を得て、色々なお話を聴けるので、彼の指導を見るのは非常に楽しいです。
第3幕の最初のシンデレラを追いかける場面から始まり、シンデレラの家について、二人の姉妹にガラスの靴を試させるところ。
道化師はずっと動いているわけでもありませんし、ちょっとした音楽のタイミングが二人とも難しそうでした。
そして、第2幕の道化師の踊りの部分。 テンポが速い上に、パ(ステップ)も難しくて、私は春にこの作品を観た際、いまいち誰のを見ても何をやっているのかわからないところがありました。 今日の二人もここを注意されていましたが、だいぶ納得。 クリストファーが散々音楽、音楽、と言っていました。
音楽家は楽譜を見て、過去の作品を立体的にしていきます。 ピアノを習い始めたその日から、楽譜の読み方を習います。 バレエの場合には、舞踊譜、というのが存在します。 これによって、作品を書き留めるわけです。 が、これはダンサーなら誰でも読めるものではありません。 ロイヤルバレエには3人くらいダンス・ノーテーター(舞踊譜記録者)がいます(ちなみに、お1人は日本人女性です)。
クリストファーはこの舞踊譜を理解されるらしく、今日も時々舞踊譜をみながら細かい部分を指導されていました。 ですが、ほとんどは頭に入っていらっしゃいます。
ジェームズはきれいなつま先で、クリーンな踊りをするダンサー。 どうやらこの道化師役はあまりやりたくないそうですが、観てみたいな、と思いました。
ヴァレンティーノはジャンプがきれいなダンサー。 ですが、クリストファーが説明をしている時、お手本を見せている時にそれをきちんと観ていないのが気になりました。 『魅せる』ということができるダンサーですから、こういう役はおもしろいかもしれません。
この役を作った(初演した)アレクサンダー・グラントのことの話があったりして、非常に興味深いし、もちろん出来上がった舞台を観るのも好きですが、私はこういうお話を伺ったり、リハーサル過程をみせていただけることが、とっても好きです。 こうした、クリストファーのような方が非常に貴重な存在だと思います。
ただ問題は、人が注意されていたことも結構覚えていられる方(ピアノのレッスンでは、先生に言われたことを全て覚えていなくてはいけませんからね)なので、実際にこれで舞台を観る時、色々と気になってしまうでしょう。