ロイヤルバレエ、ミックス・ビル 最終日 | WITH HOPE!!

WITH HOPE!!

在英14年目、イギリスの生活を愛し、楽しんでいるMiyukiです。
イギリスで細々と演奏活動をしているので、クラシック音楽の話題、日常、イギリスの姿をお伝えしたいと思います。
バレエが好きで、ロイヤルバレエの公演を主に観ているので、その感想も。

青空かと思えば雨が急に降ったり。 それでも比較的暖かくてすごしやすかったです。 今年は10月に雪が降らなかっただけでも、恵まれています。

 夏時間も今日でおしまい。 31日の夜中2時に、時計を1時に戻します。 よって、今日は25時間ある感じ。 明日はハロウィンですし、夜のロンドンは、ファンシー・ドレスの大人がたくさんいましたし、バスの中にもファンシー・ドレスや、フェイス・ペインティングをした大人たち。 こういうところが私はイギリスの好きなところなのかもしれません。


 さびしいことに、今日でロイヤルバレエの先々週から始まっていたミックス・ビルもおしまい。 先週は空席もありましたが、今週はなぜか満席。 開演前には、ボックスオフィス前に、リターン・チケットを求める列もできていました。


 『ラ・ヴァルス』 アシュトン振付、 ラヴェル作曲


 ローレン・カスバートソン、 ネーマイア・キッシュ

 小林ひかる、 ギャリー・エイヴィス

 ヘレン・クロウフォード、 平野亮一


 他


 今日の公演で、ひかるさんがやっと舞台に。 木曜日の公演の時には、どうしたのかしら? と思った群舞も、今日は安定していました。 何度観ても美しい作品です。 何も考えずに、頭を空っぽにして、舞台を観ていると、とっても幸せになれる作品。 舞台上の人物に感情移入する作品ももちろん大好きですが、こうした、ただただ舞台の雰囲気に酔うことができる作品、貴重です。



 『Invitus Invitam』 キム・ブランドストラップ振付、 クープラン作曲(編曲)


 リヤーン・ベンジャミン、 エドワード・ワトソン

 クリスティーナ・アレスティス、 ベネット・ガートサイド


 アリーナ・コジョカルの怪我により、結局6回の公演全てを 踊ったリヤーンとエド。

 この作品は3つの部分から成り立っているのですが、その一つ一つの終わり、壁に手をついたリヤーンが壁の上のほうを見上げ、歩いて袖に入っていく部分、今までよりもゆっくりで、前回とは違う雰囲気でした。

 お互いに求め合いながら、それは禁断の愛。 というのが、この作品の柱だと思います。 教養が足りませんので、このバレエの元になっている文章を読んでいません。 これはそのうち探して読んでみたいな、と思っています。

 


 『Winter Dreams (三人姉妹)』 マクミラン振付、 チャイコフスキー作曲(編曲)


 オルガ(長女): マーラ・ガレアッツィ

 マーシャ(次女): マリアネラ・ヌニェス

 イリーナ(三女): ラウラ・モレーラ

 

 クリーギン(マーシャの夫で、学校の先生): ジョナサン・コープ

 ヴェルシーニン: カルロス・アコスタ


 ツーゼンバッハ(イリーナを愛している): ヴァレリー・フリストフ

 キャプテン・ソルヨニー(イリーナを愛している): トーマス・ホワイトヘッド


 他


 初日と同じキャスト。 昨日原作を読んだ後なので、少々違った気持ちで舞台を観たと思います。

 マリアネラは、15日に踊った時とは違うマーシャを創り上げました。 私が彼女を好きな理由はここにあるかもしれません。 同じものは2度見せない。 もちろん演じているのですが、よい意味で演じているようにはみえない。 

 彼女のソロは掴みどころが難しくて、完全には踊りこなせてはいないな、と思ったのですが、最後の『別れのパ・ド・ドゥ』は圧巻でした。 今回観た中で一番。 観ていて胸が締め付けられるような踊り、表情でした。

 私が次に『ロマンス ヘ長調』を弾く時には、今までとは違う演奏ができそうです。 でも、やっぱり、これを踊りと共に弾くのが今の私の一番の夢。 思っていたら、いつか実現できるかな、と思います。


 前回、ヴェルシーニンに出会ってから、夫のクリーギンに対しては悪意がない女性を創り上げていましたが、今回は、夫のことも愛していて、揺れ動いている。 でも、だからこそ、最後の『別れのパ・ド・ドゥ』でのヴェルシーニンに対する気持ちがより際立っていたのかもしれません。


 カルロスも最初は結構大人しめな演技ですが、『別れのパ・ド・ドゥ』はパッションの塊。 


 三人姉妹の兄のアンドレイの妻のナターシャを踊ったオリヴィア、原作に非常に近いナターシャでした。 


 ジョナサン・コープ、今回は二人の違うマーシャと組んだわけですが、彼は、ヴェルシーニンに心を寄せるマーシャを見ながらも、本当にマーシャを愛している。でも、その表情、しぐさが二人、マリアネラとタマーラでは少しずつ違って、こういうところが、興味深いわけです。

 

  最後は、外套を着た三人姉妹が、手を取り合って終わります。 その時、真ん中にいたマリアネラ、斜め上を見上げながら、静かに、ゆっくりと目を閉じて、それは一瞬でしたが、それが、なんともいえない空気を造って、印象的でした。

 

  このバレエ、次に再び舞台に戻ってくるのを待ち望んでいます。 それよりも『別れのパ・ド・ドゥ』の後半部分のチャイコフスキーの歌曲をミコノフスキーが編曲したもの、ぜひ楽譜を手に入れたい! 私はこの曲をどういう風に弾きたいのか、非常に鮮明に浮かび上がっています。 



 『テーマとヴァリエーション』 バランシン振付、 チャイコフスキー作曲 (組曲第3番)


 タマーラ・ロホ、 セルゲイ・ポルーニン


 ユフィ・チョイ、 蔵健太

 高田茜、 ヨハネス・ステパネク

 イッツィアー・メンディザバル、 ベネット・ガートサイド

 サマンサ・レイン、 ヴァレリー・フリストフ


 他


 『ラ・ヴァルス』同様に、頭の中を空っぽにしてみることができる作品。 最初のテーマの部分、プリンシパル・カップルが踊ります。 音楽は美しいけれど、テーマですから、シンプル。 それにあわせて、振付も、シンプル。でも、非常に美しいのです。


 セルゲイは、やはり踊りはダントツ。 でも、なぜか今日は表情が固まっていました。 それでも、パ・ド・ドゥでタマーラをリードするのを観て、前回に引き続き、驚きました。


 木曜日にスティーブンが踊った時には最後テンポをかなり上げた男性のソロ、セルゲイはテンポをあげずにやりました。 スティーブンとセルゲイは違うタイプのダンサーですからね。 あのセルゲイでさえ、今日のテンポでは最後のほうが辛そうだったので、60年以上前にこのパートを踊った男性はどれだけすごかったのかしら?と思わずにはいられません。


 ユフィちゃんの体のライン、彼女はとってもエレガントな踊りをしますが、バランシンでの彼女は音楽性も含めて、私は好きです。 彼女の踊りを観ていると、彼女自身が音楽だな、と思うのです。 


 

 夢のような舞台を観ていた2週間でした。 来週からは『シルヴィア』が始まります。 11月中旬には『シンデレラ』、12月には『レ・パティヌー(スケートをする人々)』と、『ベアトリクス・ポッターの物語』と、アシュトン作品が続きます。

 この舞台を観る為なら、年に4回のオペラハウスの外での徹夜も気にならない。 ロイヤルバレエの今シーズンが始まって、まだ1ヶ月。 この1ヶ月でたくさんの宝石を見たのだと思います。 少しでも私自身のピアノ演奏に影響してくれるとよいのですが。