それから20年余、そんな話も忘れかけた頃、テレビで時折あれ?という顔を見る事がありました。何とエンドロールを見るとHさんの名前がありました。年齢を重ねてはいましたが、確かにHさんです。
私は現在役者としては第一線から一歩引いているので、お会いする事は出来ませんが、古くからの知り合いのマネージャーGさんから、事の顛末をお聞きする事が出来ました。

Hさんはその後、細身の身体で過酷な肉体労働などを長期に渡って続けて、借金を完済して子供さんを大学まで出して独立させたそうです。
筆舌し難い苦労だったそうです。

天は見捨てていませんでした。

子供さんは親が自分の夢を捨てて自分を苦労して育て上げてくれた事を身をもって感じていました。
子供さんが大学生時代に立ち上げた小さなITグループが、年商3~4億の企業へと成長したのです。
お父さん、今まで育ててくれてありがとう。今度は俺がバックアップする番です。好きな芝居を思い切り続けて下さい!

こうして役者Hさんは復活しました。