高校生の息子が手を骨折しました。

柔道をしている時に相手を掴んで無理な姿勢で投げようとして骨折したらしい。

本人は骨折したとは思ってなかったようで骨折した夜も「手が痛いな」と言ってただけでした。

骨折だから固定しておくだけかと思ってたら入院して手術するという。

手術は局部麻酔でなく全身麻酔。

えらい大げさな事するなと思いましたが、他で色々聞いてみると手の場合はそれが普通なようです。

手術は木曜日に行い、昨日退院しました。

手術の当日、仕事を終えて病院に駆けつけてみると高校の友人がお見舞いに来てくれてて病室で楽しそうに話をしていました。

友達はお菓子の差し入れにクラスメートの寄せ書きを持って来てくれてました。

息子さん、素晴らしい友達が沢山いて良かったね。



病院で見た骨折した手のレントゲン写真を見て息子さんが赤ちゃんの時の事を思い出しました。

息子さんがまだ1歳半ぐらいの時で、私が息子さん抱っこして当時住んでいたマンションのエレベーターに乗った時のことです。

エレベーターが止まってドアが開くときに私は不注意にもドアの近くに居て息子さんをドア側に抱いていたので息子さんの手が開くエレベーターのドアに巻き込まれたのです。
巻き込まれた手を引っ張って抜こうとしても抜けない。
赤ちゃんは痛くて泣き叫ぶ。
私はかつてない恐怖を感じました。

その時私の奥さんが一緒に居たのですが、奥さんは自分の手を赤ちゃんの手が挟まれているエレベーターのドアに身代わりになるように手を入れたのです。
しばらく赤ちゃんの手を引っ張っていると奥さんの手の方が大きいので赤ちゃんの手を抜くことができました。
続いて奥さんの手も何とか抜くことができました。奥さんの手はあちこち擦り傷だらけになっていました。


私は自分の不注意と恐怖心と奥さんのような我が身を捨てて子供を救う勇気が無かった事から自責の念が湧きおこりました。

すぐに病院に行って診察してもらうと赤ちゃんの手には異常が無かったのでホッとしました。
1歳半ぐらいの手のレントゲン写真がとても可愛く奥さんが「あのレントゲン写真カワイイから持って帰りたいね」と言ってました。

しかし母親は強いとこの時ほど痛感したことはありません。
奥さんの我が身がどうなっても良いと体を張って子供を救ったあの勇気が私には無かった。
今でもあの時の事は鮮明に思いだせるし、その時の事を思うと自責の念は消えることはありません。
奥さんは私をいつも立てて優しく尽くしてくれますが、我が家で一番勇気と優しさを備えてる偉大な人は奥さんだと思っています。