「 日中国交正常化40周年を記念して中国に行ってきます! 」

日中国交正常化40周年を迎えました。今年は、これを記念してさまざまなイベントが行なわれ、日中友好の機運が盛り上がるでしょう。
そのスタートとして、日中友好協会会長の私をはじめ、日中友好7団体の長がそろって中国に行き、指導者や中日友好関係団体と懇親を深めてくることになりました。出発は2月16日です。

中国側も相当な意気込みで迎え入れてくれるようです。1ヶ月も前から要人との面会をセッティングするべく動いてくれています。
なかでも私は、唐家セン(トウカセン/センは王ヘンに旋)元国務委員とお会いするのが楽しみです。彼は外交担当の副総理格でしたが、2年前に引退しました。今後は中国側の中日友好協会の会長になると言われています。彼は私と同い年です。実は40年ほど前、私が宏池会の訪中団の一員として初めて中国に行ったとき、唐家セン氏が一行を接待する若手の実務班長でした。それ以来の付き合い。今ではずいぶんと気心の知れた間柄です。

今回の訪中で、私がいちばん関心を置いているのは、やはり中国経済です。去年、玄葉光一郎外務大臣が徹夜のような強行軍の訪中をしたのを覚えているでしょうか。あれは、野田総理の訪中の日程を決めに行ったのですが、いよいよ総理の訪中というタイミングで突然キャンセルになりました。中国側は「南京事件の記念日だから」などと言っていましたが、それは以前から分かっていたことで、どうも腑に落ちません。もしかしたら内部抗争があるのかという声もきかれましたが、私は「あ、あのせいかな?」と思ったことがあります。ちょうどその頃、中国では「全国経済工作者会議」というのが開かれていました。「工作」などというと、日本ではなにやら不穏な会議のように思われそうですが、そんなことはありません。日本における予算委員会の集中審議のようなもので、景気動向や金融情勢などを見ながら、重要な政策を決める会議です。国家主席をはじめ、閣僚が全員出席するほど重要な会議ですから、日本の総理の儀礼的な訪中に、真剣に時間を避けそうにないということだったんじゃないかと思います。ですからこの訪中では、中国の指導者層が今後の中国経済をどのように見ているのか、ぜひ聞いてきたいと思います。

もうひとつの関心事は尖閣問題です。一昨年に尖閣諸島の問題がクローズアップして、もう今年で3年目。後世の歴史家は、日中関係の変化(悪化するにせよ、好転するにせよ)は、この3年間で決まったと語ることでしょう。日中関係にとって大変に重要な時期で、日中双方とも、十分に気をつけて外交をコントロールしないといけません。尖閣諸島はそのくらい大きな問題だと思って、みなさんも注視していてください。 また帰国後、ご報告したいと思います。


加藤紘一オフィシャルサイト
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