たくま6歳 | Atsuko's Cafe

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本職 高校家庭科教師 2男1女の母
誰でも作られる簡単レシピで、美味しくできる料理を、日々研究☆
レシピの覚え書きついでに、元教え子限定で無償のお料理教室(Atsuko’s Cafe)を開催しています。

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2月13日は、たくまが生きていたら6歳のお誕生日でした🎂

生後51日、乳幼児突然死症候群で亡くなった次男 逞(たくま)。

毎年2月になると思い出す授業があります。
※私は高校で家庭科を教えています。

10年前、約20年間の教師生活でたった一度だけした授業。卵の赤ちゃんを育てる授業です。

授業では、2人組になった生徒たちに生卵を渡し、2週間、登下校を共にしてもらいました。
生卵ですので、ひびが入ったり、落として割ってしまう生徒たちも出てきます。

ある生徒が、「階段の手すりを滑り台にみたてて、2人で卵ちゃんを滑らせて遊ばせていたら、うっかり落として割れてしまった」と言ってきました。

代わりが欲しいと言う生徒に、「赤ちゃんの代わりはいません。もし、これが本当の赤ちゃんだったらどうなると思う?亡くなってしまったかもしれない。もしくは、障害が残ってしまうことだってあるかもしれない。」真剣に話す私に、2人はことの重大さに気付き、卵の赤ちゃんに「ごめんね」と謝りながら、木の下に埋めて、涙ながらにお墓を作ってあげていました。

当時、第一子を妊娠中だった私は、年度途中で産休に入ることが決まっており、生徒たちへの申し訳ない気持ちも手伝って、いつも以上に気合いの入った授業をしていました。

生徒たちも、そんな私の気迫に押されてか、卵ちゃんに感情移入して、真剣に授業に向き合ってくれていました。

この授業の4年後に、第三子として生まれたたくま。1人目の時は、丁寧に丁寧に育てていた私も、3人目と言うことで緊張感もなく、2歳と4歳の子どもたちの方ばかりに気を取られていました。そんな時に起こってしまったたくまの死。

乳幼児突然死症候群は、原因不明の突然死とは言われるものの、原因を突き止めたくなる親心からか、色々とネット検索していると、「欧米では乳幼児突然死症候群の7割は親が原因と言われている」と言う記事に行き着き、「やっぱり私のせいなんだ」と、自分を責めて責めて、今でもやっぱりその気持ちは抜けきれなくて、そんな私が思い出すのがこの授業でした。

「偉そうにあんな授業してた私が、結局、自分の落ち度で子どもを亡くしてしまった」

そんな後ろめたい気分と同時に思い出す授業でした。

たくまの死から6年経ち、気持ちは穏やかになってきたとは言え、たくまの誕生月を迎えて、またこの授業を思い出していた時、10年前の生徒から、ひょっこり連絡がありました。

「先生のあの授業が忘れられなくて…」と言う生徒が書いた、当時の授業を生徒視点で描いたエッセイ。

女子高生の私が同級生と学生結婚した話

あっけらかんとしたこのエッセイに、自然と笑みがこぼれました。


その後、このエッセイのことが記事に取り上げられました。

私のこの授業への後ろめたさをよそに、何だかいい先生に仕立ててもらっています照れ

さらに、エッセイを書いたエムコちゃんが、エッセイを読んだ当時のクラスメイトたちの嬉しいコメントもたくさん見せてくれました。みんな、授業のこと、各々の感情と共に覚えてくれているのねー😭


この授業をしてよかったんだ。と、許された気分になりました。

たくまのお誕生日を前に、こんな奇跡が起こるなんて。きっとたくまが巡り合わせてくれたのではないかと思います。

たくまの亡くなる2ヶ月前に、大人になった別の生徒の、臨月だったお腹の中で尊い命が天に召されました。この授業を思い出す度、共に思い出す感情です。彼女が自分を責めてませんように。

価値ある授業だと周りからはたくさん評価していただいてとても嬉しく思っています。

その重みゆえに、きっともうしないだろうと、今は思います。でも、「やってよかった。」そう思わせてくれたエムコちゃんに、心から感謝していますドキドキ


毎年、お誕生日は、たくまの写真を囲んでお祝いしています。

今年は、友人がケーキを買ってきてくれて、みんなで一緒に食べましたバースデーケーキ

これまでのたくまの誕生日を振り返ってみました。

5歳

4歳

3歳

2歳

1歳

亡くなって1ヶ月後の子どもの日

亡くなる1ヶ月前の子どもの日
スポンジケーキを私が焼いて、夫がデコレーションした力作ですキラキラ菱餅も手作りしました桜


手作りケーキを囲んでお祝いするごとに、たくまとの思い出が増えていきます流れ星

生きていたら、今年はもう小学生だね。
10歳の娘もエッセイを読んで、「私も育てる!」と、卵ちゃんを育てています。
来週あたり、ホットケーキにでもしようかな(笑)

折り紙好きの娘が、たっくんのランドセルを折ってくれました。

しばらくブログをお休みしていましたが、今後は、たくまに関する気持ちのみ、書き残していきたいと思います。

なぜ書くのか。

それは、弟を亡くした娘と息子が、たくまを亡くした時のことや母の気持ちを知りたいと思った時、自分のペースで読んでくれたらいいなと思うから。そういう時が来るか来ないかは、分からないけど、刻々と変化する私の気持ちを、聞かれたその時の感情で話すのは何だか違うなと思ったのが1つ。

たくまの誕生日や命日に、たくまだけのことを考えながら文を綴ることで、たくまとの時間を共有できている気持ちになれることが1つ。自分の気持ちに向き合うことは、辛い時もあったけど、書き終わる度に、少しずつ心が穏やかになっていった気がします。

私がたくまを亡くした時、「乳幼児突然死症候群」で検索して、色々な記事に行き着きました。その時、同じ原因で子どもを亡くされた方のブログが、一番心に響き、知りたいことを知れたり、学ぶこと、元気づけられることもあったのが1つ。

たくまの記事の大半は、限定公開にしています。

亡くなって1年は普通に公開していましたが、周りに心配かけまいと、元気な部分だけ書く自分に気付き、素直な自分の気持ちを書くため、限定公開にしました。
※現在は限定公開、はずしています(2021.4.5)

テーマ「たくま」で、これまで書いたたくまの記事のタイトルを見ることができます。