少し遅くなってしまいましたが、
友人の演出する舞台『悪事の代償』を見てきました。

『悪事の代償』
脚本・演出:白井ラテ
共同演出:桐野睦

あらすじ
ちいさな町で起きたある轢き逃げ事件。
事件を調査する刑事と事件に巻き込まれる二組の家族、
そしてそれをとりまく「悪い人なんてだれもいない」町の人たちのお話。

生き別れになった兄妹がお話の軸になるのですが、
この妹役の小島響子さんが透明感があってすっごく素敵なんです。
凛とした雰囲気とまなざしを見て一目で好きになってしまいました。
お話はもちろんなのですが、この舞台は役者さん一人一人の個性と役がぴったりあっていて
みなさんが輝いてました。
舞台ならではの演出も楽しめました。

お話はサスペンスの要素のある人間ドラマです。
ものすごく乱暴にまとめると、
「悪い事」に直面した人々が
身近な人や自分自身の中にある
「悪い事をしてみたい」
「悪い事はしちゃいけない」
「これは悪い事なんかじゃない」
「悪い事とわかっていてもどうしよもない」
という気持ちに気付いて右往左往するというお話でした。
「悪人」じゃなくて「悪い事」。
『世の中には「悪人」や「悪い人」がいて、そいつらが全部悪い。以上』と言い切れたら楽だけれど、
「悪い事」は「善人」や「いい人」の中にも渦巻いてる。
ほとんどの人は「いい人」だからこそ、
自分の中にある「悪い事」と直面するのを怖がるし
愛する人の中にある「悪い事」を嫌悪する。
今回の舞台には「悪い事」を肯定できないけれど、
「悪い事」を抱えて必死で生きている人間たちを見捨てない、
いわゆる「人間臭さ」を愛おしむ演出の視点を感じたように思います。

舞台だけじゃなく、映像作品としても是非見てみたいなあと思ってしまいます。
残念ながら舞台は5/5の公演で終了なのですが、密かに再演を希望しています。