発熱が引いた翌日の

ひと膜張ったような重い体を

椅子に乗せ

冷たいアイスコーヒーの

水滴を指でなぞりながら


「ご一緒してもよろしいですか?」

機関銃のように喋る向かいの席に座る男性

だんだん透明人間になっていくような

私の感覚

6月の目眩

"だって私癌ですもの"