『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』話題作なので元々ネタばれ | kateroseの覚書blog

kateroseの覚書blog

人生折り返し終わっても死ぬまで治らぬおたくライフ。
映画と人形とアニメと特撮と宝塚と猫が好きな私の、“ごくフツー”な日常日記。

花凛のブログ-ベンジャミン
先日、試写会で観た映画、
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

どうしようもなく拒絶する人と、感動して長さを感じない人と、
極端に分かれそうな映画でした。
私は後者で、
そして深い感銘と啓示を受けました。

人は幼子の姿と幼子の魂で生まれて来るけれど、
人は老いさらばえた姿と幼子の魂で還っていくのです。
もしも私や誰かの周りの人達がボケても、
認知症になっても、
その姿が幼児や赤ちゃんだったら、
みなどんなにか寛容に惜しみなく愛を注ぎ易いことでしょうか。

象徴的に飛ぶハチドリの
何者にも負けずあるがままの生きる姿に、
嵐に立ち向かうハチドリの無限の可能性に、
観客は色々な感想を持つことでしょう。


養母のクィニーや船長、ミセス・アボット、そしてデイジー、
他にも沢山の印象的な人物が彼と影響を与え合い、
彼の人生に触れ合っていきます。

ベンジャミンの姿は異常でも、ベ
ンジャミンの人生は普通の人となんら変わらない。

誰もが同じように、人生の中で人と出会い、
そして別れ、
経験を通して成長し、
年を重ねて生きていく。

違うのは肉体が若返っていくこと、
ただそれだけ。


ベンジャミンは自分の人生をどう思っていただろう。
幸福か、不幸か。

80歳の老人として生まれたことは、不幸か?
生まれてすぐ母が死に、父が捨てたことは、不幸か?
優しい女性に拾われたことは、幸福か?
老人ホームで過ごし、沢山の別れを経験したことは不幸か?
老人の姿でなければ出会えない人々と関われたことは、幸福か?
人と共に年をとっていくことができないのは、不幸か?
体が若返っていくのは、幸福か?
見ていて感じた。
彼、ベンジャミンは自分のこと――若返っていくことを、
幸福だとは思っていない。
だからといって、不幸だとも思っていない。
彼は嘆かない、自分の境遇を。
ただ、自分の人生を自分の出来る限りで乗り切り、
自分に与えられた幸せに感謝する。


長い映画だけど、
とても見応えがあります。
観ている時よりも、後々までもいつまでも、
心にじんわりと残りました。


花凛のブログ-ベンジャミン



花凛のブログ-ベンジャミン