ここのところ少なくはなってきた気はするが、相変わらずインチキくさい電話がなくならない。
「いつもお世話になっております。わたくしN○T お客様係り、株式会社ナンタラカンタラのサイトウと申します。いつもフレ○ツをご利用いただきましてありがとうございます。」
こんなあいさつから始まるインチキセールスである。
でもこのあいさつだけはよく練られている。
まず超有名企業の社名を印象づけ、そのあとに実在するかどうかは不明だが、長ったらしいカタカナの社名を告げる。
こうされるとほとんど記憶に残らない。
次にお得な情報。
ここからはダメダメである。
まあ大抵はこのあたりで『うちは間に合ってますから』と切られてしまうのだろう。
しかし私は違う。
事細かに説明を聞き、そして質問をするのだ。
「なんだよ!?そんなにお得ならすぐそうしてよ!!」
営業担当はしめしめと思うだろう。
しかしそうはいかない。
「じゃあさ、すぐやってよ。オレんとこわかるでしょ?お客様係りなんだから」
ここから反撃スタートである。
「え・・・いやアトランダムでお電話させていただいていまして・・・」
いやいや苦しいでしょそれじゃ。
「アトランダム?あれあれおかしいなぁ・・・どこに電話してるか言ってみ?お客様係りで無作為っておかしいよね?」
ここまで詰めるとほとんどがしどろもどろで、なかには「大田原内山田さんですよね?」なんて日本にそんな名字があるんかい!!と激しくつっこみたくなるような間違い電話のふりをするやつもいるのである。
あのさ・・・そもそもうちはフレ○ツじゃねーから・・・。
私にとってはひまつぶしのいい相手になるわけだが、彼らは仕事である。
会社ももうちょっとマシな応酬話法のマニュアルをつくってあげないと、せっかく高収入の夢を抱いて入社した営業マンが潰れていくだけになると思うのだが・・・。
『営業マンは使い捨て』
いまだにそう考えている販売会社もあるようだが、人材は会社の宝である。
私のところはまさにそれなのだ。
いくら私ががんばったところで売り上げはあげられない。
すべてを稼ぎ出すのは女のコなのである。
私の仕事は、人材の確保と、長く在籍してもらえるよう働きやすい環境をつくること。
そしてなんといっても稼がせてあげることなのである。
私もまだまだ修行せねば。