すきこみのいみ
自宅の庭(直植えとプランター)で野菜を育てています。
「マリーゴールドを土にすき込むといい」と聞いたのですが、「すき込む」とは具体的に
どうすればいいのでしょうか?
ただ土に埋めるだけでいいのでしょうか?
すき込むマリーゴールドは花が咲いている状態ですか?
それとも株が枯れてからでもいいのでしょうか?
また、マリーゴールド以外にソラマメの皮、アブラナ、ヒマワリなどもすき込むと良いと
聞きましたが本当ですか?
自宅の庭や深くて大きいプランターにも「すき込み」の効果があるのでしょうか?
○マリーゴールドやヒマワリ、ソルゴーなどの植物を生の
まま農地の土壌中に施用することを、
「緑肥作物をすき込む」といいます。
「すき込む」ときには、一般的な農地では、緑肥作物を農業機械などで
細かく粉砕し、一定の深さまで万遍なく混ぜ合わせ、土壌と馴染む
ようにします。
小規模な場合は、カッターなどで細かくしてからすき込みます。
ところで、緑肥作物すき込みの目的は、
①肥料の一部代替的な役割(肥料分補給)、
②有機物の補給による地カ維持増進効果、
③緑肥中の有機酸により土壌中の鉄分を植物に吸収できる形にすること、
などがあります。
④すき込むときに土壌を十分に耕耘するため、土壌を軟らかくしますし、
緑肥作物はその軟らかさを持続させる働きもあります。
また、緑肥作物の種類によっては、その植物を栽培することで、土壌中の
微生物等を改善する働きもあります。
栽培すること自体がひとつの目的となります。
マリーゴールドを栽培すると、植物の根を侵すある種の線虫を抑制する
ことが知られています。
緑肥は、このような目的を達成するために、栽培されたり、すき込まれたりします。
そして、緑肥のすき込みは、土壌を交換しにくい露地やハウスなどで
主に行われます。
緑肥をすき込むときに注意しなければならない点としては、
①すき込む時期が重要です。
露地では作物の定植または播種の約1ケ月前くらいにすき込みます。
ハウス内でも15日以前にすき込みます。
緑肥作物の分解は土壌中の微生物が行いますが、このとき土壌が乾燥していると
微生物活動が抑えられ、分解が遅れます。
また、すき込むときに微生物のエサとなる石灰窒素などの肥料分を少 量施用しますと、
分解が進みます。
すき込んだ直後には緑肥作物からいろいろな有機酸などが出てきたり、
土壌中の一時的に微生物相が変わったりしますので、すぐに植え付けますと作物に
害の出ることがあります。
②すき込むときは土壌中に均一に行うことも重要です。
緑肥作物が1箇所に固まって存在していたり、表層部分だけにあったりするのは、
土壌のためにも後から植える作物のためにも、あまり良くありません。
③土壌中の肥料分が多く、塩類濃度が高い(EC値が1.5以上を示す ような)場合は、肥料成分の高い緑肥(ソルガムやその他緑肥の葉の部分)のすき込みは、
塩類障害を助長することがあります。
④すき込む緑肥作物は種のできる前のものを用います。
種ができたものをすき込むと、芽を出して大変です。
マリーゴールドでは、花の咲いている頃がすき込み時期となります。
また、枯れたものでは、別の場所で堆肥として長期間堆積し、十分に 腐熟してから使ったほうが無難です。
以上のような点に注意をすれば、庭でもプランターでも緑肥作物のすき込み は可能です。
しかし、プランターの場合、完熟した良質の堆肥があれば、それを施用することで土壌は
良くなります。
施用してから分解に時間のかかる緑肥を特に使わなくても済みます。
また、緑肥作物としては、アブラナやヒマワリなど、いろいろな作物が利用できます。
線虫退治の目的がなければ、特にマリーゴールドである必要はありません。
さらに、どんな作物であっても、病気などにかかったものはすき込まないようにします。
お答えしたのは…加藤先生です。
その後、マリーゴールドはネグサレ線虫に効果あり、大根くらいらしい、ネコブ線虫には効果なし。
プランターなら、太陽熱消毒の方が良いのではないか、とのプロより指摘あり。
追加させて下さい。