久しぶりにファンタジー作品を読みました。
『このすばらしきスナーグの国』
(E.A.ワイク=スミス原案 ヴェロニカ・コッサンテリ作 野口絵美訳 徳間書店 2023.8.31)
『ホビットの冒険』『指輪物語』の著者であるJ.R.Rトールキンが、自らの子どもたちに読み聞かせて楽しんだという、
E.A.ワイク=スミス著の『このすばらしきスナーグの国』。
『ホビットの冒険』を書くときにこの本をの影響を受けたと知った
チキンハウス社の編集部長であるバリー・カニンガムは、この物語を若い読者に向けて新しく生まれ変わらせるように、
ヴェロニカ・コッサンテリに依頼しました。
そして、野口絵美さんが翻訳し、徳間書店が出版してくださいました。
(野口絵美さんのあとがきも、原作との違いが詳しく書かれていて、興味深かったです。)
多くの人々の想いからこの本が生まれ、こうして読めたことに感謝します。
一気に読みました。
面白かったです
ファンタジー作品は最初に、創作したその世界を読者に伝えるために、はじまりがなかなか物語が動かない場合もありますが、この作品は、一気に動き出します。
親をなくした、引き取り手のない子どもたちのための〈サニーベイ子どもの家〉に住むピップとフローラは最初っから登場し、ふたりにピッタリ寄り添いながら、物語についていけます。
全部で8部から成り立っています。
そして、それぞれの部が始まるところは、右ページには第○部と簡単なあらまし、左ページには挿絵が一面に描かれており、読み手の想像を助けてくれます。
例えば、
(P.8)
第一部:冒険のはじまり
規則が破られ、ワトキンス先生が機嫌をそこねる。
ヴァンダーデッケン船長の軍楽隊の練習がじゃまされ、
〈サニーベイ子どもの家〉にあやしい者たちが現れる。
二人の子どもと一匹の犬が、門をくぐり、
不思議な世界に足をふみいれる。
(P.9)
〈サニーベイ子どもの家〉とそのあたりの風景を鳥たちの視点から描かれた絵
真実は、隠すのではなく、知ること。
帰る家があること。
私は、こういうことを受け取りました
ファンタジー好きな方はもちろん、ファンタジーはそこまで…という方も読みやすいのではないかと推察します。
クー