3歳くらいから9歳くらいまでの子どもたちには、
いっぱい昔話を聞いてほしいと思っています。
でも、いまは昔話を語れる大人はなかなかいない
そこで、昔話絵本を子どもに読んでほしいです。
『母の友 2024.1』(福音館書店)では、
「えほんのきほん 09」として、オススメの昔話絵本を9冊、紹介しています。(P.50-51)
そのなかで、私が特に好きな絵本は、
『きんいろのしかーバングラデシュの昔話』
(ジャラール・アーメド案 石井桃子再話 秋野不矩絵 福音館書店)
昔、南の国に、ひとりの王さまが住んでいました。
この王さまが世の中で一番好きなのは、金でした。王さまは、国中の金を集め、他のものはひとかけらの金を使ってはならないというお触れまで出していました。
ある日、王さまは森で金色に輝く鹿を見つけます。鹿が踊ると、足下の砂が金に変わるのです。
王さまは鹿を生け捕りにしようとしますが、うまくいきません。
そこで王さまは、ホセンという牛追いの少年に3日以内に鹿を連れてくるよう命じます。
ホセンが鹿を連れて王さまの御殿に到着すると、鹿は踊りに踊ります。
すると金の砂がうずたかく積もって、王さまを埋めてしまうのです。
聞いているものにとっては、とてもスッキリした内容です
訳も絵も素晴らしく、人の道についても考えさせられます。
人として形成していく時期に、こういう物語に出会うことはとても重要だと思うのです。
さて、この絵本、福音館書店70周年記念で限定出版中です
クー