私がまだ母になりたての頃、
幼い子に好んで読んだ絵本の一冊に、
『おやすみなさいのほん』
(マーガレット・ワイズ・ブラウン 文 / ジャン・シャロー 絵 / 石井桃子訳 福音館書店)があります。
しっとりとした温かみのある絵。
くりかえされる「ねむたいもの」たち。
最後、
‟かみさま
あなたの けものや
うたう ことりたちに
しあわせを めぐみ、
ものいえぬ
ちいさな ものたちを
おまもりください”
を読み終えるたびに、涙していたあの頃。
今でいうワンオペ育児に疲れたいたからか、
小さく産まれ、こわれそうに感じたわが子に対し、
大きなものにまもってもらいたい、と祈っていたからか…。
深みのある色彩の絵とともに、詩のようなテキストを読むたびに、
「あ~、今日も無事に一日が終わる」
と安堵した日々を思い出します。
この絵本のテキストを書いたのが、マーガレット・ワイズ・ブラウン。
100冊以上の絵本を残しましたが、絵を描かない絵本作家でした。
幼い子に語りかけるような、
ゆったりとしたリズムのあるテキストは、
多くの画家を刺激して、素敵な絵本を生みだしました。
ひとつのテキストに、違う画家が取り組んだ作品もあります。
同じテキストと思うほど、印象が違います。
最近、『ことりのおそうしき』(マーガレット・ワイズ・ブラウン文 クリスチャン・ロビンソン絵 中川千尋訳 あすなろ書房)と出会いました。
なんか似た絵本が文庫にあるぞ、と思い出したのが、
『ちいさなとりよ』(マーガレット・ワイズ・ブラウン文 レミー・シャーリップ絵 岩波書店)。
昨日の家庭文庫で、スタッフと読み比べてみました。
いろんな違いが感じられて、興味深い時間でした。
是非、読み比べて、仲間で話すことをお薦めします。
そういう中で、絵本観や子ども観のすり合わせが出来ていきます。
そして、自分たちが大事にしたいと思っていることを共有できると思います。
寝る前の絵本としては、
『おやすみなさい おつきさま』(マーガレット・ワイズ・ブラウン文 クレメント・G・ハード絵 瀬田貞二訳 評論社)もよく読みました。
確か、オバマ氏も雅子さまも、幼いころ読まれていたそうです。
クー