引き続き、児童図書選定懇談会の選定図書をご紹介します。

今日は、第4部会 (NDC9文学) です。

 

 私が所属する部会なので、内容にも言及したいと思います。

 

 

   第4部会 選定対象図書 12点 選定図書 4点 保留 2点。

 

 

 『かがやき子ども病院トレジャーハンター』

(まはら三桃著 講談社)

 

  対象 : 小高

 

     

 

 長期入院している子どもたちの複雑な心境がよくわかります。

良志のおはなしのノートを探す冒険を通して、子どもたちの成長がしっかり描かれています。

 私は、おはなしを語り、おはなしを聴く、という行為の力をまざまざと思い知りました。

 

 

 『彼の名はウォルター』

(エミリー・ロッダ著 さくまゆみこ訳 あすなろ書房)

 

  対象 : 小高・中学

 

  

 

 学校の研修旅行の途中でバスが故障してしまい、レッカー車の運転手の父親が所有している荒廃した屋敷に、4人の子どもとフィオーリ先生が避難します。

 嵐も来て、その屋敷で一晩過ごすことになります。

 台所にあった机の隠し引き出しの中に一冊の本を見つけ、暇つぶしに読むことに。

しかし、その本を読みすすめるうちに、過去に隠された真実を知ることになります。

 「最後には、あたしたちみんなの力が必要だった」。

霊感の強い、サラとコリンだけでなく。それが、私には嬉しい言葉でした。

 青年ウォルターの名誉を回復させたいと願うスパロウの強い意志に感じ入ります。

 物語とその中の物語が分かちがたく繋がっています。

怖いものみたさに、ぐいぐい読ませる謎解きサスペンスです。

 

 

 『くまのピエール』

(イブ・スパング・オルセン 作 菱木晃子 訳 こぐま社)

 

  対象 : 小低・小中

 

  

 

 くまのぬいぐるみのピエールは、スティーヌの家で暮らすことになります。

スティーヌはとてもかわいがってくれます。

 ピエールは、知りたがり屋で、思い込みが激しくて、行動に移すくま。

危機に陥っても、スティーヌがなんとか見つけてくれるのです。

 読者は、

「ピエール、やめといたほうがいいんじゃない」

「スティーヌにみつけてもらえなくなるよ」

と心配しながら、ピエールのおどぼけぶりに笑ってしまいます。

 オールカラーで全ページ挿し絵ついていて、総ルビ。絵本からの移行にピッタリの一冊です。

 

 『スネークダンス』

(作/佐藤まどか 小学館)

 

  対象 : 中学

 

  

 

 芸術の都ローマで生まれ育った圭人は、古い町並みをスケッチするのが好き。父親が亡くなったことを機に母と日本に帰国し、母の実家での生活が始まります。
 東京でもスケッチしていると、スプレー缶を持ちダイナミックに落書きしている人に出会います。それは転校先で出会う歩でした。

 アートと建築を通して成長する話。進路を考え始める中学生に読んでほしいです。

 

 

 

 保留の本が2冊ありました。

特に一冊は、私が押していて、まだ読み手不足でもう一度選定対象図書となりました グッ

 

 

 

 次回の児童図書選定懇談会は、12月です。

またご紹介したいと思います バイバイ

 

 

 

        クー