MONSTER


松竹
モンスター プレミアム・エディション

[監督・脚本]パティ・ジェンキンス

[出演]シャーリーズ・セロン

    クリスティーナ・リッチ

 

あらすじ…

 アメリカを震撼させた女性連続殺人犯

 アイリーン・ウォーノス の、

 恥辱と憎しみで悲しく彩られた

 半生を描き出す衝撃のサスペンス。

感想・・・

 キツイ。
 最後まで見てるのがキツかった。
 ショックで心にもやもやが残って離れない。

 シャリーズ・セロンの演技は
 もちろん素晴らしく
 世界の各賞を総なめにしたのも
 納得の100点満点どころか
 リアル過ぎて見ていてつらかった。

 アイリーンがセルビーと別れるシーン
 殺人を犯した罪悪感で潰れそうな心を
 セルビーに許しをもらうことで
 再び自身を肯定しようとする様子が
 たまらい…。
 アイリーンの悲痛な言葉を耳にしながら
 どこかでソレを見てみぬふりをしている
 セルビーの表情が読み取れる。
 大罪に関与したという
 現実への恐怖はあるものの
 決してアイリーンと自分の間でのリアルは
 目にしようとしないのだ。

 中流家庭で父親に守られて育ったセルビーは
 レズビアンであることを家族から否定され
 思春期のアイデンティティーを確立できず
 大人になってしまった少女。
 生きることに現実感が感じられず
 アイリーンが次々と犯行を重ねていることを
 知りながら、知らないフリをし
 自分を少女のなかに留まらせ
 結局、父親からもアイリーンからも庇護される
 存在としてい続け、台詞からもわかるように
 どの行動に対してもアイリーンの所為にし
 最後まで責任に自覚はなかった。
  
 アイリーンは男性に愛され
 幸せになりたいと強い願望を持っていたものの
 幼少期から受け続けていた
 性的虐待・暴行
 売春婦という職業柄
 マトモな男と接する機会は
 ほとんどなかった。
 
 セルビーと同性愛関係になった以後は
 いっそう、男性嫌悪が強くなり
 犯行の理由にもなっていたが
 
 幼い頃抱いていた男性への憧れや期待を
 自分が男性化することによって
 実現させていったように思う。 
 自分がなりたかった女性像を
 セルビーに感じ、彼女を庇護し
 男性化することで新たな自己と
 強い自信を完成させていったのではないか。

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