昨日、叔父(母の兄)が亡くなった。

 

 

大企業で役員をしていた叔父は、豪快豪傑だった。

ただ家庭生活は少々複雑だった。仕事人間で家庭を顧みなかったツケ、だろうか。

70歳を超えても働いていたが、引退後は徐々に体の衰えが目立つようになり、

近影では叔父とは直ぐに認識できないほど、昔の面影はなかった。

 

 

これが人の辿る道なんだろうか…な。

 

 

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす

奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし

猛き者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ

 

 

…違ってたらごめんね、笑。

平家物語の冒頭。…まさに、だな。

昔の人は、かくも美しく、かくも端的に、人生を表現したものよなぁ…と感動するよ。

 

 

叔父との思い出で心に残るのは、

まだ20代で生意気だった私にかけてくれた言葉。

 

 

「人はその歳にならないとわからないことがあるものだよ。」

 

 

今ならよくわかる。心身というように、心と体は連動している。

若い20代と体に衰えを感じる50代では、感じ方もものの見え方も微妙に違うのよ。

人生経験をどれだけ積んできたかでも、物差しが変わってくるしね。

 

 

あの時、静かに怒ってくれたこと、

驕っていた若い頃の自分を戒めてくれたこと、

今更ながら感謝しています。

 

 

あの頃は何にも分かっていなかったなぁ〜って、思うわ。

 

 

死ぬってさ、最後の大仕事だよね。