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こんにちは!スタッフの彬です。
このところ晴れたり雨が降ったり忙しい天気ですね。
そんな中、先日、東京国立近代美術館『中平卓馬 火—氾濫』という写真展を観に行きました。
中平は戦後写真史に大きな足跡を残した写真家です。
展示室には二眼レフなど大きなカメラを下げた若いファンの姿も目立ちました。
彼の初期作品は「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれる「ピントが合っていない」、「被写体がブレている」、「構図が不安定」というルール無視の作風で、当時の写真界に衝撃を与えたそうです。
夜の都市空間の孤独や不安、そして恐怖にも似た感覚を描いた彼の写真は、彼個人の心情の吐露というだけでなく、ある種の報道性が見られます。
「政治の季節」という時代性もあるでしょうが、哲学し、社会と闘う写真家、という印象を受けました。
その姿勢は、その後の沖縄をテーマにした写真にも引き継がれて行きますが、その最中、中平は急性アルコール中毒で倒れ、記憶を喪失してしまいます。
再起してからの写真には、社会と格闘するかつての中平の姿はありませんでした。
しかし、晩年のカラー作品は、子供のように無邪気に撮影を楽しんでいるようにも見え、彼の心はむしろ平穏だったのでは…。
この事故を断絶と見るか、変化と見るか、難しいところです。
なんにせよ、「アレ・ブレ・ボケ」の発明者の写真を見ることができたということ、そして寺山修司ら同時代の作り手の言葉から、私の知らない「昭和」ないし「戦後」という時代が垣間見れたということは、とても刺激的でした!
私も触発された訳ではないですが、何枚か美術館〜皇居周辺の写真を撮って帰りました。
スマホは簡単に撮れすぎてなんだかなあと思いますが。