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こんにちは!スタッフの太田彬です。
今回は、渋谷にあるPARCO劇場で、立川志の輔の「らくご」を聴いてきたという話です。
私にとっては、高校の課外授業以来の落語鑑賞でした。
これは、ロビーに飾られていた、漫画家のヤマザキマリが描いた師匠の肖像画です。どことなく色気を感じますね。
600人を収容できる客席は、開演の15時には隙間なくびっしりと埋まっていました。
そして、開演と同時に非常灯を含めすべての照明が消えました。
ステージ上には、劇場ならではの舞台装置然とした高座と、鮮やかなピンクの座布団だけが、スポットライトを浴びて浮かび上がります。
そこへ志の輔が着物を羽織って登場します。
出だしは決まって小声で話し始めるので、観客は耳をそばだてて必死に言葉を聴きとろうとします。
…そんな風に始まる志の輔師匠の「枕」は、軽妙なのに考えさせ、考えさせるのに説教臭くないものでした。
枕から落語に入る流れはまさに切れ目なく、急に風が止むような緊張感があります。
流暢な語りの中に時々「んんんん…」という言い淀みを挟むのも、墨の濃淡のように絶妙な間合いを生んでいました。
1本目の新作落語も、2本目の古典落語も、終始笑っているうちに終わってしまいましたが、最後の人情噺では一転して、温かな余韻を残してしっかり締める。
3本のバラエティ豊かな落語を通して、名人の凄みを感じました。
これを期に、色々な名人の落語が聴いてみたいと思った、そんな初笑いでした。