京都薪能へ行こう! | 能楽師 片山伸吾のblog『冷吟閑酔』

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生粋の京男の片山伸吾が、時には舞台人として、時にはただのおっさんとして、日々の出来事を気ままに綴っていきます。

能楽師 片山伸吾のblog『冷吟閑酔』-第60回京都薪能昨日『京都薪能』の第一日目が行われました。『京都薪能』は我々京都能楽会と京都市の共催で催しているもので、今年で60回を数えます。今でこそ「薪能」というボキャブラリーは一般化していますが、実はこの『京都薪能』こそが初めて「薪能」というネーミングをつけた催しなのです。さらに中で行われる「火入式」も、オリンピックの聖火をヒントに、私の祖父が考えたものなのです。
さて昨日は月曜日。平日であることと、近隣の美術館等が軒並み休館日であること、そしてインフルエンザの影響で、残念ながら昨年に比べお客様の数がかなり減りました。とは言っても1700人あまりの方々が来てくださっていますから、これが60年の歴史の凄さなのかもしれません。
プログラムは『翁』に始まり、『絵馬』、『杜若』、狂言『福の神』と続き、最後は金剛流の『正尊』がありました。『正尊』は私達観世流にある曲なのですが、観世でシテになる「正尊」は金剛ではツレとなり、ワキである「弁慶」がシテとなるのです。観世ではシテである「正尊」にドシッとした重厚感や存在感が求められますが、金剛ではいわゆる「弁慶」が弁慶たる威厳と存在感を醸し出すため、「正尊」自体の凄みは演出上、あくまでもツレに押さえられています。ストーリーは一緒なのですが、「起請文」を正尊本人が読むか、弁慶に渡して読ますかという演出も含め、配役の比重を変えるだけでこうも違うのかと、我々観世の人間も実感しました。かなり勉強になった一日でした。
 さて今日も二日目のプログラムが行われます。『翁・神楽式』、『花月』、『羽衣』、狂言『釣針』、『紅葉狩』です。前述のように、例年より空いてますので、変な言い方ですが、より観やすい環境です。お天気も晴れで気温もちょうどいい感じです。
是非お越しください。
 第60回『京都薪能』【第二日】
  本日午後5時半開演
  (午後4時半開場、午後9時頃終了予定)
  於・平安神宮  当日券¥4,000
  お問い合わせ・京都薪能事務局075-771-7230