今日は入学式、新たな1年生が入ってきた。

新しい出会いに胸を踊らせながら。とか

よくわかんないけど。

慣れない環境でもたくさん頑張ってほしい


でも考えると、今日で高校に入って

365日経ったんだな〜。と

事実上そうなのだろうけど

実感は全く湧かない。


別にまだ1年生と同じくらい未熟だ

何も出来ない子供で、

どうしようもない人間だ


知っていることと言えば学校の構造と

電車の乗り方ぐらい。


そういえば今日はすごく暖かい

もう本格的に春、いやもう夏までいってんじゃないの?これ??と思うほど暑い、

もう電車に乗ってくる高校生は

みんなワイシャツ1枚だ。



やっぱり僕は夏のこの匂いが好きだ、

どういう匂い?と聞かれれば何も答えられない、夏の匂い。というなんとも曖昧でよく分からない回答しか出来ないが、本当にそうなんだ。


学校の匂い、帰り道の匂い、駅の匂い、電車の匂い、車の窓から入ってくる風の匂い。


全ての匂いのせいで

「もう夏なんだなー」と嫌でも思ってしまう。

春も秋も冬も、匂いはするけどやっぱりこの夏の匂いと比べると何か違う。


別に僕は炭治郎みたいに鬼の居場所が分かるほど鼻は敏感では無い、むしろ鈍感だ。隙の糸も見えない。デコに痣もない。



匂いの正体は

多分、付き合ってたあの子のせいだろう。

と思っている。


学校の帰り道も、電車の中も、あの子と一緒にいた時の季節と場所の匂い。

怖いぐらいに儚い気持ちになる。

でもやっぱり僕はこの匂いが好きだ。

あの子の匂いも、まだ微かに覚えてる。


真赤


夏の匂いがした。