今までもやってきたことだが、出崎統監督のピノコと、手塚眞監督のピノコを比べるのはなかなか楽しい。


今まで私は、出崎統監督のピノコの方が精神年齢高し、と考えてきているが、一方で、自立性に関してどうかというと、出崎統監督版のピノコは手塚眞版のピノコより甘えっ子だ。


まあ、こんなシーンは、2人ともだからカウントしないとして、
出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE1 流氷、キマイラの男
(このカット、セリフなし)

手塚眞監督「ブラック・ジャック」
KARTE: がんばれ古和医院
ピノコ「いやなのよさぁ、こんなとこ」
BJ「ウチだって、そんなにかわらんだろう」


確かに、手塚眞版のピノコも、BJと一緒に危機的状況に陥ると、BJに精神的に支えてもらっている。
手塚眞監督「ブラック・ジャック」
KARTE:27 最先端ルームの悲劇
ピノコ「(涙声で)写楽、ラルゴ…」

手塚眞監督「ブラック・ジャック」
KARTE:47 雪原のヴァイオリン
(周囲阿鼻叫喚、2人のセリフはなし)

が、残念ながら、出崎統版では、BJとピノコがこのような危機的状況に陥るといったストーリー展開は(確か)なかったので、比較のしようはない。
(あればきっと面白かったのに)

ならば平和な状況で2人のピノコがそれぞれBJと一緒の時、何をしているかというと、

手塚眞版のピノコは、ひたすらお菓子をつまみ、
 手塚眞監督「ブラック・ジャック」
KARTE:00 オペの順番
「まったく、あのズルはいり、うるさいんだから。ね、先生」

手塚眞監督「ブラック・ジャック」
KARTE: がんばれ古和医院
ピノコ「大丈夫大丈夫、あたちお菓子でお腹いっぱいになったことないんだぁ」

出崎統版のピノコは、ひたすら、BJに貼り付き、
出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE1 流氷、キマイラの男
ピノコ「行き詰まってんの?」

出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE8 緑の想い
(ピノコ独白あり)

とりあえずBJにぶら下がる。
出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE8 緑の想い
ピノコ「(寮の)先生にもまだ話してないのかや?」
(左手でBJのコートにぶらさがっている)

ましてや、何らかのストレスにさらされた時、出崎統版のピノコは、すぐにBJにぶら下がる。
出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE1 流氷、キマイラの男
(キマイラ病による死を目の当たりにしたシーン)
出崎統監督「ブラック・ジャック」OVA 
KARTE1 流氷、キマイラの男
(依頼主クロスワードのキマイラ病による死を目の当たりにしたシーン)

ま、それがかわいいんだけど。

身体的には、出崎統版のピノコの方が、手塚眞版のピノコより、BJとの距離が近いと思う。