兄夫婦は基本的に仲が良い。

 

何でも話し合っているように見えるし、お互いを気遣っている。

 

こんな夫婦になりたかったなーと過去に何度も思った。

 

良い関係を築いて持続するには、やはり双方の努力が必要になる。

 

時には意見が合わなかったりイライラすることもあるかもしれない。

 

でも、そんな時には相手を認めつつ話し合えるのが良いのだと思う。

 

そんな理想的な関係が構築されていると思われる兄夫婦でも。

 

喧嘩をすることがあるようだ。

 

私の記憶ではこれまでに喧嘩らしい喧嘩を見たことが無かった。

 

だから、『おっ、これはもしかして』と不穏な空気を感じ取った時には少々驚いた。

 

普通は諍いがあって上手く行っていなかったら一緒に行動しないと思うんだけど。

 

二人は違う。

 

一緒に実家に来て不穏な空気を漂わせながらもなんだかんだと一緒に過ごしていた。

 

これって凄いなぁと感心した。

 

だってイザコザがあったら普通はその人と離れたいと思うでしょう?

 

それなのに、一緒に実家に来てプチ喧嘩を繰り返しつつも単独行動をしようという風にはならない。

 

ただ、雰囲気がいつもと違うことは明らかで。

 

それは子供の目から見ても分かる。

 

兄の子たちも言葉には出さないけれど見守っている様子だった。

 

普段仲が良いだけに心配になるよね。

 

微妙に緊張感のある空気を感じつつも誰も触れないでいたのだが。

 

それを打ち破ったのは息子だった。

 

前に書いたかな。

 

うちの息子はちょっと空気の読めないところがある。

 

以前、兄の奥さんがどこかで聞いてきたという手相の話して盛り上がっていた時。

 

姪っ子の手を見ながら、

 

「あっ!KY線がある!」

 

と笑っていた。

 

どれどれ?と見ると、教えられた場所には確かに薄っすらと線が入っていた。

 

試しに息子の手も見てみたのだが………。

 

なんと入っていた。

 

というか姪っ子のよりもクッキリ入ってて、『すごい!』とみんなで笑った。

 

 

 

 

こういうのは当たるも八卦だからね~。

 

その時はそう思っていたのだけれど。

 

あながち間違ってもいないのかもしれない。

 

みんなが言葉には出さなくても兄夫婦の動向が気になっていたところ、息子が

 

「なんで今日はあんまり話さないの?」

 

と唐突に聞いた。

 

確かにいつもよりも大分会話は少なかった。

 

そりゃー喧嘩してるからね。

 

いきなり核心を突いた息子に対し、兄の奥さんはギョッとした顔で、

 

「えーと………」

 

と戸惑った様子を見せたが、すぐに笑顔になって、

 

「○○(兄)ちゃんが悪いんだよ」

 

と喧嘩の理由を暴露し始めた。

 

その内容自体は本当に小さなことだったので、実のところそれほど怒ってはいなかったらしい。

 

だけど、『怒ってます』という態度を取っているうちに収拾がつかなくなったみたい。

 

そのままよく分からない流れで、兄に対して奥さんが、

 

「ごめんなさいは?」

 

と言うと兄も素直に、

 

「ごめんなさい」

 

と謝った。

 

結局すぐにいつも通りになったので息子や姪っ子たちも安心した様子だったのだが。

 

それを見ていて思った。

 

空気って読みすぎてもダメなんだじゃないか、と。

 

私も夫に対して空気や機嫌を読まずに接することができるようになりたい。