強烈な揺り戻しの感情は。
突如としてやってくる。
これまでのことを考えても、これからのことを想像しても。
夫と一緒に居たってちっとも良いことなんて無いんだから。
いい加減にしなさいよ、と自分に腹が立つ。
息子のことだって散々痛めつけられて憎しみさえ覚えていたのに。
それなのに、私の決断は間違っていたのではないかと思ってしまうことがある。
そんな状態になるのはごく稀なこと。
この波を乗り切ればまた前向きに戻れることを知っている。
だから大丈夫。
ぜんぜん大したことではない。
こんな日は眠ってリセットしてしまうのが一番。
そう思っているのに考え始めたら止まらなくなり、四六時中考えてしまった。
この後悔は何に対してなんだろうか。
思えば私たちの結婚生活は辛いことの連続だった。
夫の病気や私の失業などは、自分たちの努力だけではどうにもできないものだった。
だから、『あのことが無ければ』というのはよく考えた。
でも起きてしまったことは仕方がない。
後から嘆いたってどうにもならないんだから。
いつもは何があっても平気なフリをすることができる。
ついてないなぁと感じて周りを羨ましく感じることはあっても。
でも時々、ほんの僅かにあった幸せな時間を思い出すと胸がキューっとなる。
もうあんな時間を過ごすことはできないんだなと思うと。
私が全て壊してしまったんじゃないかと考えてしまう。
そういう時、もう私の脳は夫にされた仕打ちを忘れてしまったの!?と自分が腹立たしい。
だってあれほど家を出たいと願ってやっと叶ったのに。
夢にまで見た自由な環境を手に入れたのに。
なんで過去に後ろ髪を引かれるのかな。
夫に対してもう愛情は無い。
だとしたら、この感情は何なのか。
自分でも分からない。
ただ一つ言えるのは、『今悲しい思いをしてるはず』と見られるのがとても辛いということ。
今まで散々迷惑をかけてしまっているから周りには心配をかけたくない。
そう思って、なるべく元気に笑って過ごすようにしているのに。
ちょっとした変化で勘づかれてしまうのがしんどい。
それで時々疲れちゃうこともある。
夫との生活は地獄のようだったことだけは確かで、戻りたいとも思わない。
それでも、あの地獄のような場所がまるで安寧の空間のように思えてしまうのは。
きっと私の心が疲弊しているのだと思う。
無性に悲しくなってしまった時には、しまっておいた亡き友人からの手紙を取り出す。
何度も何度も読み返した手紙。
『ずっと見守ってるから』の言葉にまた涙。
私をとどめてくれる魔法の言葉は大切なお守り。
大丈夫。
まだがんばれるよ。