三者面談に行った。

 

普通子どもってこういう場面を嫌がるものなのではないのかい?

 

それなのに息子は何故かノリノリで、何度も

 

「ママ、三者面談今日だよね」

 

と確認してきた。

 

一体何をする場だと思っているのか。。。

 

普段は夕方に合流する。

 

でも今日は三時からの予定だったので、仕事を早退させてもらった。

 

いつもとは違う時間に乗る電車。

 

同じ駅に止まり風景も変わらないはずなのに。

 

やっぱり雰囲気が違うなと思った。

 

このくらいの時間に乗るとずい分ゆったりとした感じだ。

 

私が帰る頃には仕事帰りの人が大半なので皆くたびれた表情をしている。

 

中には元気いっぱいの人もいるが、多くは無い。

 

明るいうちに学校に行くだけで新鮮な気持ちになる。

 

授業参観なんかもなかなか行けなくて、息子には寂しい思いをさせていると思う。

 

三者面談と言えば………。

 

実は低学年の頃に私が虐待をしていると勘違いされたことがあって。

 

先生からやんわりと

 

「あんまり叱らないであげてください。本当に良い子なので」

 

と言われた。

 

言われた瞬間はちょっと意味が分からなくて、頭の中でその言葉を繰り返した。

 

叱るって何のこと?と。

 

良い子なのは十分に分かっている。

 

早生まれのせいかちょっと不器用なところもあるけど。

 

純粋で人から何か言われたら素直に受け止めることができる。

 

そんな息子の性格が羨ましいとさえ思っていた。

 

 

 

 

その時の先生の様子があまりにも心配そうだったので、私も神妙な顔になって頷いた。

 

「そうですね。親が言うのも変ですけど本当に素直な子で………」

 

とか何とか言いながら。

 

だけど、言った直後に気づいた。

 

これって虐待の件でやんわりと釘をさされてるんじゃないの?

 

あの頃はまだ周りに打ち明けることもできず、義両親にさえ弱音を吐けなかった。

 

必死で大丈夫なふりをしていた。

 

だから気づいていたのだとしたら息子がお友達に話したのだと思う。

 

それがどういう風に伝わったのか。

 

虐待をしているのが私だと勘違いされたのだろう。

 

この時、勘違いされて嫌だったというよりも、もっと強烈な違和感を感じていた。

 

夫はあんなに酷いことをしているのに誰からも知られることなく取り繕えている。

 

その事実を受け入れられなかった。

 

外面が良いから仕方がないのだろうか。

 

その外面にみんなが騙されて、良い人を演じる夫の本当の姿を見抜ける人は居なかった。

 

優しそうとか良い人だねと言われるたびに私は心の中で毒を吐いた。

 

今の先生は去年から我が家の事情をよく知ってくれている人なので、改めて説明する必要がない。

 

息子が大変な時も寄り添ってくれて、苦しんでいるのも近くで見てきたと思う。

 

だからなのかな。

 

息子も安心して全てをさらけだしているように見える。

 

怖いものばかりだった息子が学校に安らぎを求めたのも優しい先生や仲間が居たから。

 

色んなことを考えていたらあっという間に到着した。

 

廊下で順番を待つ息子の姿が見えた。

 

こちらを見て小さな手を振る。

 

面談なのに嬉しそうだね(笑)

 

終わったら早い時間に一緒にゆっくりと帰れるのが嬉しい。

 

私にとってご褒美のような時間だ。