恐れていた事態が起こった
「こんにちは」
あれ……?
彼の顔に小さな既視感を覚え
プロフィールの名前欄に目を落とす
思っていたのと違う名前だったのだが
そこにも小さな既視感を覚えた
それは彼自身の名前と
ひとりの従業員の名前を
足して2で割ったような……
こんな珍しい字で……?
被る……?
私は内勤専門なので
社長と話すことはあまりない
受付担当になったときくらいだ
しかも
私の担当先の方を
案内したことはないので
たぶんバレてはいないはず……
彼と1:1で話す時間は
5分ほどだったのだが
何を話したか何も覚えていない
そのパーティーは
普通の婚活パーティーだったのだが
たぶん彼は営業目的で来ていたと思う
今思えば、の話だが
プロフィールのフックポイントが
彼の事業の話に繋がるものだった
当日は
似てるなぁ……
でも名前違ったしなぁ……
身分証の写真しか知らないし……
他人の空似かなぁ……
というもやもやした感じだったが
後日、
仕事で会計組んでいるときに
やはり
あの日のあの人はこの人だったのか……
と冷や汗がでた
バレて……ないよね……
いや、それよりも!
名前は本名じゃないし、
年収盛ってるやん……!!!
あなたの所得税を計算した私じゃなければ
見逃していたね……キリッ
本人確認はちゃんとしてるんだろうけど
(私もされるし……)
プロフィールに書く内容が真実であることは
誰も保証してくれない
ほんとのことを書いている人は
どのくらいいるんだろう……
ステータス詐欺は
アプリの専売特許だと思っていたのだが
婚活パーティーも安心できない
本名で話せない人とか
怪しすぎるし、
いくら数を積んだところで
そんな人との出会いばかりなら
なんにも進展なんてない