伊勢物語品詞分解第45段《ゆく蛍》

収録本

「文法詳解伊勢物語精釈」（三ツ木）

「文法解明叢書伊勢物語要解」（此島）

「文法と解釈シリーズ伊勢物語の文法と解釈」（橘）

「要説伊勢物語」（日栄社）

「文法全解古典解釈シリーズ伊勢物語」（雨海）

「明解シリーズ19伊勢物語」（郷・田尻）

「文法解説伊勢物語」（日栄社）

「文法鑑賞伊勢物語新解釈」（原）

「古典新釈シリーズ4伊勢物語」（春山）

「新明解古典シリーズ3伊勢物語」（小原・山田）

「新要説伊勢物語」（日栄社）

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むかし【名詞】をとこ【名詞】有【動詞、ラ変、連用】けり【助動詞、過去、終止】

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人【名詞】の【格助詞】むすめ【名詞】の【格助詞】かしづく【動詞、カ行四段、連体】いかで【副詞】こ【代名詞】の【格助詞】をとこ【名詞】に【格助詞】物いは【動詞、ハ行四段、未然】む【助動詞、意志、終止】と【格助詞】思（ひ）【動詞、ハ行四段、連用】けり【助動詞、過去、終止】

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★かしづく……「文法解釈」（橘）は終止形とする。

★ものいは……「要解」（此島）は『もの【名詞】＋いは【動詞、ハ行四段、未然】』とする。

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うちいで【動詞、ダ行下二段、未然】む【助動詞、仮想、連体】こと【名詞】かたく【形容詞、ク活、連用】や【係助詞】あり【動詞、ラ変、連用】けむ【助動詞、過去推量、連体、係結び】物やみ【名詞】に【格助詞】なり【動詞、ラ行四段、連用】て【接続助詞】しぬ【動詞、ナ変、終止】べき【助動詞、推量、連体】時【名詞】に【格助詞】かく【副詞】こそ【係助詞】思（ひ）【動詞、ハ行四段、連用】しか【助動詞、過去、已然、係結び】と【格助詞】いひ【動詞、ハ行四段、連用】ける【助動詞、過去、連体】を【格助詞】おや【名詞】きゝつけ【動詞、カ行下二段、連用】て【接続助詞】なく＼／【副詞】つげ【動詞、ガ行下二段、連用】たり【助動詞、完了、連用】けれ【助動詞、過去、已然】ば【接続助詞】まどひき【動詞、カ変、連用】たり【助動詞、完了、連用】けれ【助動詞、過去、已然】ど【接続助詞】しに【動詞、ナ変、連用】けれ【助動詞、過去、已然】ば【接続助詞】つれづれと【副詞】こもりをり【動詞、ラ変、連用】けり【助動詞、過去、終止】

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★うちいで……「精釈」（三ツ木）・「文法解釈」（橘）は連用形としているが、助動詞『む』は未然形接続なので誤り。

★うちいでむ……「要解」（此島）・「古典新釈シリーズ」（春山）は『む』を推量とする。

「文法解釈」（橘）は仮定とする。

「要説」（日栄社）・「文法全解」（雨海）・「明解シリーズ」（郷）・「文法解説」（日栄社）・「文法鑑賞」（原）・「新明解古典シリーズ」（小原）・「新要説」（日栄社）は婉曲とする。

★べき……「明解シリーズ」（郷）は当然とする。

★なくなく……「要解」（此島）・「要説」（日栄社）・「文法解説」（日栄社）は『なく【動詞、カ行四段、終止】＋なく【動詞、カ行四段、終止】』とする。

★まどひき……「要解」（此島）・「要説」（日栄社）・「文法全解」（雨海）・「文法解説」（日栄社）・「文法鑑賞」（原）・「新明解古典シリーズ」（小原）・「新要説」（日栄社）は『まどひ【動詞、ハ行四段、連用】＋き【動詞、カ変、連用】』とする。

★まどひきたり……「文法解釈」（橘）は『まどひきたり』で一語【動詞、ラ行四段、連用】とする。

★こもりをり……「要解」（此島）・「要説」（日栄社）・「文法全解」（雨海）・「文法解説」（日栄社）・「文法鑑賞」（原）・「古典新釈シリーズ」（春山）は『こもり【動詞、ラ行四段、連用】＋をり【動詞、ラ変、連用】』とする。

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時【名詞】は【係助詞】みな月【名詞】の【格助詞】つごもり【名詞】いと【副詞】あつき【形容詞、ク活、連体】ころほひ【名詞】に【格助詞】夜ひ【名詞】は【係助詞】あそびをり【動詞、ラ変、連用】て【接続助詞】夜【名詞】ふけ【動詞、カ行下二段、連用】て【接続助詞】やゝ【副詞】すゞしき【形容詞、シク活、連体】風【名詞】ふき【動詞、カ行四段、連用】けり【助動詞、過去、終止】

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★あそびをり……「要解」（此島）・「要説」（日栄社）・「文法解説」（日栄社）・「文法鑑賞」（原）は『あそび【動詞、バ行四段、連用】＋をり【動詞、ラ変、連用】』とする。

★夜ふけ……「明解シリーズ」（郷）は『夜ふけ』で一語の動詞とする。

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ほたる【名詞】たかく【形容詞、ク活、連用】とびあがる【動詞、ラ行四段、終止】

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こ【代名詞】の【格助詞】をとこ【名詞】見ふせ【動詞、サ行四段、已然】り【助動詞、完了、連用】て【接続助詞】

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★見ふせり……「要解」（此島）・「要説」（日栄社）は『見【動詞、マ行上一段、連用】＋ふせり【動詞、ラ行四段、連用】』としているが、『ふせり』を一語とする場合はラ変活用になるはず。

「明解シリーズ」（郷）は『見ふせり』で一語とするが、やはり活用をラ行四段活用としているのは疑問。ラ変活用のはず。

「文法解説」（日栄社）は『見【動詞、マ行上一段、連用】＋ふせ【動詞、サ行四段、已然】＋り【助動詞、完了、連用】』とする。

「文法鑑賞」（原）は『見【動詞、マ行上一段、連用】＋ふせ【動詞、サ行四段、命令】＋り【助動詞、完了、連用】』とする。

「古典新釈シリーズ」（春山）は『見ふせ【動詞、サ行四段、命令】＋り【助動詞、完了、連用】』とする。

★ふせ……橋本進吉・大野晋説では命令形。

小松英雄説では『ふせり』で一語とする。

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ゆく【動詞、カ行四段、連体】ほたる【名詞】雲【名詞】の【格助詞】うへ【名詞】まで【副助詞】いぬ【動詞、ナ変、終止】べく【助動詞、可能、未然】は【接続助詞】秋風【名詞】ふく【動詞、カ行四段、終止】と【格助詞】かり【名詞】に【格助詞】つげ【動詞、ガ行下二段、連用】こせ【動詞、サ行下二段、命令】

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★べく……「要解」（此島）が【形容詞、ク活、連用】としているのは不審。

★べく……「文法解説」（日栄社）・「文法鑑賞」（原）・「古典新釈シリーズ」（春山）・「新明解古典シリーズ」（小原）・「新要説」（日栄社）は連用形とする。

★べくは……「要解」（此島）・「文法鑑賞」（原）・「古典新釈シリーズ」（春山）・「新要説」（日栄社）は『は』を係助詞とする。

★こせ……「要説」（日栄社）・「文法解説」（日栄社）は終助詞とする。

「文法全解」（雨海）・「明解シリーズ」（郷）・「文法鑑賞」（原）・「古典新釈シリーズ」（春山）・「新明解古典シリーズ」（小原）・「新要説」（日栄社）は願望の助動詞『こす』の命令形とする。

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くれがたき【形容詞、ク活、連体】夏【名詞】の【格助詞】ひぐらし【副詞】ながむれ【動詞、マ行下二段、已然】ば【接続助詞】そ【代名詞】の【格助詞】こと【名詞】と【格助詞】なく【形容詞、ク活、連用】物【名詞】ぞ【係助詞】かなしき【形容詞、シク活、連体、係結び】

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★くれがたき……「文法解釈」（橘）は『くれ【動詞、ラ行下二段、連用】＋がたき【形容詞、ク活、連体】』とする。

★ひぐらし……「要解」（此島）は『ひ【名詞】＋くらし【動詞、サ行四段、連用】』とする。

「要説」（日栄社）・「明解シリーズ」（郷）・「古典新釈シリーズ」（春山）は名詞とする。

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