NHK「キッチンが走る!」放映から2日目。再放送の翌日の日曜日。トウモロコシ街道清水屋さんには前日以上にお客さんの長い行列ができていました。

トウモロコシ街道清水屋

トウモロコシ街道清水屋
正午の様子です。

トウモロコシ街道清水屋
駐車場に入りきれない車で道路横にも車が駐車し、道路にはスピードダウンして駐車場所を探す姿があリました。
隣のお店「金子屋」さんも自分で栽培した野菜を販売する農家直売所ですのが、この日はこちらのお店にもお客さんが立ち寄り、いつも満杯の野菜を陳列していた棚が空になっていました。秋になると大きな白菜が並びます。以前はレタス栽培を中心にしていましたので、どの野菜も立派に育てる専業農家です。

トウモロコシ街道清水屋
午後2時。「焼きトウモロコシ」を求めて並ぶ行列はまだ長く、約20人が待っています。

トウモロコシ街道清水屋

トウモロコシ街道清水屋

トウモロコシ街道清水屋
「トウモロコシ街道」は国道120号線(日本ロマンチック街道の一部)のうち、「東小川(ひがしおがわ)地区」の「焼きというもろこし直売所」の並ぶ地区です。
トウモロコシ販売を始めた創始者は今は亡き「星野雄三郎」さんですが、そのお店は今は「元祖屋園芸」として、山野草の販売ではその趣味の人たちの間では有名なお店になっています。
49年前の1965年10月7日金精道路の開通により、片品村から日光へ車で抜けられるようになり、東小川地区を縦断する国道に通過する車が増えたので、星野さんはトウモロコシ販売を思いつきました。最初は生のトウモロコシを戸板の上に置いておき無人販売でした。
現在は直売所の数も最盛期の半分ですが、自分で栽培した野菜を販売する農家のお店と、農家から購入した野菜を販売するお店があります。

トウモロコシ街道清水屋
午後4時。お客さんがだいぶ減ってきました。

トウモロコシ街道清水屋
農林水産省のHPによると平成21年度調査では「全国産地直売所の数16,816ヶ所。総販売金額8,767億円」となっています。
清水屋さんは元祖屋の星野さんから指導を受けながら直売所を始めた、歴史の長い農家直売所のひとつです。
以前はテレビ東京の番組「ドライブA GO! GO!」で、かぼちゃを取材する番組クルーが、このお店が一番かぼちゃの種類が豊富に販売していたので、トウモロコシとともに取り上げました。その放送直後から直接買いにこられない関西や中京地区のお客さんからFAXで宅配の注文が急増したそうです。
清水屋さんは農業とともに昔から酒屋さんもやっています。私も子どもの頃、家に冷蔵庫がない時代、真夏の暑い日には昼食後、親からもらった10円玉を握り締め、弟と一緒に金子酒店にアイスキャンディーを買いにいきました。
酒屋さんなのでビールを冷やす巨大な冷蔵室を持っており、発送するトウモロコシは収穫後すぐ箱詰めしてこの冷蔵室に入れておき、集荷のドライバーが冷蔵室からトラックの冷蔵庫に移して運んでいます。

トウモロコシ街道清水屋
清水屋さんでは生のトウモロコシはすぐに売り切れているので、これを求めるお客さんが「かたしなや」が野菜も販売しているのを見つけて立ち寄りますが、ここでは扱ってないことを知りがっかりします。トウモロコシの大産地でありながら、地元の基幹となる野菜直売所で扱ってないという、他の産地の直売所ではありえない事に、お客さんはさぞ疑問を持ったことでしょう。
この日、国道に巨大な野菜直売所の看板を掲げる沼田市の「尾瀬市場」は、生とうもろこしが完売したと聞きました。

放映から3日目。9月になり学校の夏休みも終わり、国道の交通量も減り、清水屋さんもいつもの状態になりました。
(撮影日2014年9月1日)  「山村写真家 金子大吉」