“へこたれない子”を育てる方法 ― 成長型マインドセットと自己効力感の育て方 | ユニリハ研究室ティータイムブログ 

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日本ユニバーサルリハビリテーション協会のブログを公開しています。健康、美容、心理を医学的目線から質問にお答えします。

自尊心を高める科学 ― 自己効力感が「へこたれない心」をつくる理由

人はなぜ、同じ出来事でも「すぐ諦める人」と「すぐ立ち直る人」に分かれるのでしょうか。

実はその分岐点には、**自己効力感(self-efficacy)**と呼ばれる“心のエンジン”が関係しています。

 

これは心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、
**「自分はこの目標を達成できる」**という感覚のこと。

スポーツ選手、ビジネスリーダー、トップアスリート、学校で伸びる子どもたち。


彼らの共通点は、「能力そのもの」ではなく、
“自分ならなんとかできる”と信じる感覚を育てていることにあります。

ここでは、自己効力感を高める具体的な方法と、「へこたれない心」のつくり方を、科学的に深掘りして解説します。

 

 


自己効力感を高める4つの源泉(バンデューラ理論)

バンデューラは、自己効力感を強くする4つの要素を示しました。
これを知ると、今日から誰でも“心の底力”を鍛えられます。


成功体験(Mastery Experiences)

“自分でもできた”という感覚が、心の柱になる

もっとも大きな効果を持つのが、実際に成功した経験です。

・朝30分だけ歩き続けられた
・苦手だった人に自分から声をかけられた
・3日間、日記を続けられた

こうした小さな成功は、脳に「達成の記憶」を刻みます。
神経科学では、小さな達成はドーパミンを少量分泌させ、それが“自信回路”を強めるとされます。

例:テストで点数を10点上げた中学生は、次のテスト勉強の集中力が飛躍的に上がる。

成功は“自信の貯金”。一つの成功が、次の成功を引き寄せます。


代理経験(Vicarious Experiences)

人は「この人ができたなら、私にもできる」と感じる生き物

近くの誰かが成功する姿を見ると、自分にもできる気がしてくる。
これが代理経験です。

・同僚が禁煙に成功した
・友人が資格試験に合格した
・似た境遇の人がダイエットに成功した動画を見た

こうした“似た他者の成功”は、希望のモデルになります。

心理学では「モデリング」と呼ばれ、介護・リハビリの現場でも使われる大切な方法です。


言語的説得(Verbal Persuasion)

“たった一言”が人の行動を変える

「君ならきっとできるよ」
「失敗しても大丈夫。進んでる証拠だよ」

たった一言の励ましが、行動を変えた経験は誰にでもあるはず。
人間は社会的な生き物で、周囲からの言葉が“自分の可能性”の認知に強く影響します。

逆に、
「どうせ無理だよ」
「やるだけ無駄」
といった言葉は、脳に“挑戦しない回路”をつくってしまいます。


生理的・情緒的覚醒(Physiological/Emotional States)

心と体の状態が、自信の感じ方を左右する

人は不安や緊張が強いと、「できない」と感じやすくなります。

・緊張で手が震える
・胸がドキドキする
・失敗のイメージが頭に浮かぶ

これは能力の問題ではなく、**“身体の反応を誤解しているだけ”**のことが多い。

スポーツ心理学では、
「これは失敗のサインではなく、身体が準備している証拠」
と捉え直すトレーニングがあります。

緊張を“敵”ではなく、“スタートの合図”と理解すると、自己効力感は回復していきます。


自己効力感が高い人 vs 低い人の違い

● 自己効力感が低い人

・すぐ諦める
・失敗が怖い
・挑戦前から逃げてしまう
・小さなミスで強く傷つく

彼らは、
「ミス=自分の価値が下がる」
と考えてしまう傾向があります。

その結果、自己評価が下がり、挑戦できず、また自信がなくなるという悪循環に。


● 自己効力感が高い人

・失敗してもすぐ切り替える
・挑戦をためらわない
・できる方法を探す
・結果より成長を重視する

「うまくいかなかったけれど、方法を変えればいい」
こうした柔軟な思考が、次の成功を生むのです。


“へこたれない心”は学べる ― 成長型マインドセットの力

アメリカの心理学者キャロル・ドゥエックは、
人の成長には2つの考え方があると述べています。


● 固定型マインドセット

「能力は生まれつきで変えられない」
→ 失敗を“能力不足の証拠”と感じてしまう

● 成長型マインドセット

「能力は努力で伸ばせる」
→ 失敗を“成長のプロセス”と捉える


子どもに「結果」ではなく「努力」を褒めると、
自然と成長型マインドセットが育ちます。

これは大人でも同じ。
人生のどの段階でも“へこたれない心”は育て直せます。


まとめ:自己効力感は人生を変える“心理スキル”

・小さな成功を積み重ねる
・成功した人を見る
・前向きな言葉を受け取る
・不安や緊張を正しく理解する
・努力を褒める習慣をつくる

これらはすべて、自己効力感を高めるための具体的な方法です。

自己効力感が育つと、
仕事の成果、学習の持続力、人間関係、日常の幸福感すべてが変わります。

“へこたれない心”は、特別な才能ではありません。
誰でも後天的に伸ばせる、科学的に鍛えられる力です。

今日のあなたの“一つの小さな行動”が、
未来のあなたの“揺るぎない自信”につながっていきます。

 

 

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